リハビリロボットを活用するメリットは?
歩行障害などのリハビリに
ロボットを活用する施設が増えています。
最新装具も用いることで、
体の機能の大幅に改善したケースもあります。
ただし、保険の適用が一部に限られたり、
ロボットに習熟した人材が
不足していたりする課題もあります。
そこで今回は、
リハビリロボットを活用する
メリットについてお伝えしてまいります。
リハビリロボットを活用するメリットは?
2013年の自己が原因で右脚にまひが
ある44歳の男性は2022年6月、
兵庫県立リハビリテーション中央病院に入院し、
装着型ロボット「HAL」(下肢タイプ)を使った
リハビリを3ヶ月間受けました。
HALは、新興企業
「サイバーダイン」が製造しています。
皮膚に貼ったセンサーが、
脳から筋肉に伝わる微弱な信号をとらえて、
モーターで脚の動作を補助します。
男性は車いすを使っていましたが、
週2回のリハビリで手すりがなくても
歩けるようになりました。
ただし、膝がガクンと折れる
問題が残ったため、
膝関節の曲げ伸ばしを
コンピューターで制御する
「C-Brace」という
ドイツの会社の装具を使った
リハビリにも1ヶ月間取り組みました。
退院時には装具をつければでこぼこ道も
歩けるようになったということです。
費用負担も、仕事中の事故が
原因だったためいりませんでした。
ロボットに最新技術を
組み合わせたリハビリで、
劇的に改善するケースはまれですが、
リハビリの効果を大幅に
高める可能性があります。
ロボットリハビリは、
人でゆ時間が限られた中でも、
正確な反復運動や
訓練内容の数値化ができるなど、
効率的なリハビリに
つながる利点があります。
日本脳卒中学会は治療指針で、
歩行訓練などのリハビリに
ロボットを活用することを推奨しています。
こうした中、HAL以外にも
ロボットが次々と登場しています。
トヨタ自動車の「ウェルウォーク」は、
「ロボット脚」を装着し、
ベルト上で歩行練習するもので、
脳卒中後の感じやらに使われています。
帝人ファーマの「ReoGo-J」は、
患者ごとの細かな訓練の難易度を設定でき、
まひが残った手や腕の動きの改善を目指します。
「Honda歩行アシスト」は、
二足歩行ロボット「ASIMO」の
技術が生かされています。
●リハビリでロボットを活用するメリットは?
・限られた時間や人手でも、正確な反復運動が
可能になり、運動量を確保でき。
・リハビリの量や質を数値化できる
↓
効率的なリハビリにつながる
主なロボットの例
HAL(下肢タイプ)
・脚のセンターで、脳から筋肉への信号を検知。
モーターで股関節や膝関節を
曲げ伸ばしして歩行を助ける
・医療用は国内外で384台が稼働
ウェルウォーク
・膝の曲げ伸ばしを補助する「ロボット脚」を
装着し、ベルトの上で歩行練習する
・国内で約100台が稼働
ReoGo-J
・患者ごとに細かく訓練の難易度を設定し、
脳卒中なとでまひが残った手や
腕の関節の動きを改善する
・国内で100施設以上が導入
Honda歩行アシスト
・二足歩行ロボット「ASIMO」の技術を転用。
歩行時の脚を前に振り出す動きと、
後ろに蹴り出す動きをモーターの力で補助する
・国内で約150施設が導入
・導入施設は以下のウェブサイトで確認できます。
https://www.honda.co.jp/walking-assist/facility/
課題
・公的医療保険の対象が限られる
・ロボットの費用が高額で、導入する医療施設の負担が大きい
・統一された基準がなく、対象者や訓練量を個別に検討する必要がある
・ロボットに習熟した医師や理学療法士らのチームの育成
ただ、課題もあります。
ロボットを使ったリハビリで、
公的医療保険の対象になるのは、
一部の神経難病患者に
HALを使った場合などに限られています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
多くの場合、
診療報酬は従来のリハビリと変らず、
高額な購入やリース費用は
医療機関が負担するため、
導入をためらう施設もあります。
また、ロボットリハビリの対象者や、
適切な訓練量などを判断する
明確な統一基準はなく、
各医療機関の医師が
個別に判断しているのが現状です。
ロボットの扱いに習熟した
医療チームの育成も課題です。
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