肉を柔らかくする方法 たまねぎやお酢、塩麹が作用する理由や仕組み
特売品など安く売られている肉を調理すると、
筋張って固く感じる事が多いですよね。
こうした硬い肉を軟らかく
下ごしらえする技法がありますが、
いったいどういう仕組みなのでしょうか?
そこで今回はその原理や
秘密についてお伝えしてまいります。
肉を柔らかくする方法 たまねぎが作用する理由と仕組み
食肉は、脂肪を覗く大部分が筋肉です。
特にもも肉などの動かすことの多い部位は、
筋肉が発達し、筋張った食感になりがちです。
こうした硬い肉を軟らかくする
下ごしらえで知られているのが
玉ねぎのすりおろしを使ったものですよね。
例えば、ステーキ肉を軟らかくするには
すり下ろされた玉ねぎを肉の表裏に
まんべんなく塗りつけます。
分量は肉1枚につき玉ねぎ1/2個が目安です。
保存用の密閉袋で密封し、
冷蔵庫で数時間から一晩置くと
柔らかい口当たりに変わります。
こうした変化はなぜ起きるのでしょうか?
実は生の玉ねぎに含まれている
「プロテアーゼ」という酵素が
働いていると考えられています。
プロテアーゼは、肉のタンパク質を
分解する性質を持っており、
肉に浸透すると、
筋繊維を少しずつ切断していきます。
繊維を取り巻く膜も徐々に破壊されていき
同時にタンパク質の一部が酵素によって分解され、
うま味成分であるアミノ酸へと変化します。
これにより、食感が
軟らかくなるとともに風味も増します。
この技法は牛肉のほか、
豚肉や鶏肉などにも応用できます。
パパイアやパイナップル、
キウイといった果物にもプロテアーゼが含まれ
これらを使っても肉を軟らかくでき、
玉ねぎとは違った味わいが楽しめます。
オススメはピューレ状することで、
さわやかな風味が楽しめます。
だたし、塗る量は少なめにしてください。
なぜなら多いて甘くなりすぎたり、
焦げ付きの原因にもなりますので気をつけて。
肉の種類や厚さなどで
漬け込む時間は異なるので、
何度か条件を変えて試してみるのも
良いかもしれませんね。
●肉が柔らかくなる仕組み
1.肉の筋繊維に玉ねぎなどに含まれる酵素が付着
↓
2.酵素が肉の中に浸透する
↓
3.筋繊維が少しずつ切断され、
肉の形はそのままで軟らかくなる
肉を柔らかくする方法 お酢や味噌が及ぼす理由と仕組みも同じ作用?
酵素だけでなく、酸や塩分にも
肉を軟らかくする作用があります。
酸を使う代表例は、
ヨーグルトに鶏肉を漬け込んで焼いたり、
牛肉や豚肉の塊をワインやビールで
煮込んだりする手法です。
これはヨーグルトやワインなどに
含まれる酸によって、
筋繊維がほぐれる性質を用いたものです。
また、豚肉の味噌漬けなどは
味噌に含まれる塩分が加わり、
肉をしっとり柔らかくするとともに、
独特の風味も与えてくれます。
いずれも酵素よりも緩やかに働くため、
時間をかけた煮込み料理などに向いています。
まとめ
いかかだったでしょうか?
最近では、酵素の働きで肉や
野菜を軟らかくする調味料も販売されていたり、
見た目や味はステーキでも、
口に運ぶと溶けてなくなるものが
開発されていたりと介護食などへの
広がりも期待できますね!
関連記事:花火の色の構造や理由、その仕組みと炎色反応は?おもちゃ花火の安全確認の方法