餅が膨らむのはなぜ?喉の詰まりにどう対処する?

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餅が膨らむのはなぜ?喉の詰まりにどう対処する?

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秋から冬に掛けてのこの季節、
お餅を食べる機会が増えますが

普段口にするご飯よりも粘りもあって
独特の食感が楽しめるので
好んで召し上がる方も多いことでしょう。

このお餅、常温だと硬い状態ですが
加熱すると柔らかくなりますよね?

焼いたりすると風船のように膨らみますが、
なぜこんな変化が起きるのでしょうか?

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餅が膨らむのはなぜ?

米の主成分であるでんぷんは
たくさんのブドウ糖が連なってできていて、

連結する形の違いによって、
アミロースとアミロペクチン
2種類に大別されています。

アミロースは、ブドウ糖が
1本の鎖のように連なった構造である一方、

アミロペクチン
いくつも枝分かれした木のような形
をしています。

アミロースは1本であるため、
伸ばすと切れやすく、

アミロペクチンは
枝が互いに絡み合いやすいので、
独特の粘りを生む要因になっています。

ご飯として口にするうるち米は
おおむねアミロペクチンが8割、
アミロースが2割の比率になっています。

アミロペクチンの割合が多いと
もっちりとし、

アミロースが多いと
ぱさぱさとした口当たりになります。

一方、餅の原料となるもち米は、
ほぼ100%がアミロペクチンであるため、
餅独特の粘りを生み出します。

しかし、もち米も生の状態では
アミロペクチンの枝が縮み、
閉じているので硬くなっています。

ですが、このアミロペクチンの枝も
熱と水分が加わると広がり、

枝の間に水分が入り込むと柔らかくなり、
粘りが出て「おこわ」の状態になります。

そして、さらについたり
こねたりすることでお餅になります。

これは、自由になった
枝同士が網のように絡み、
一層の粘りと弾力が生まれるためです。

ただ、やはりつきたては
このように柔らかくても
温度が60度を下回ると再び硬くなります。

アミロペクチンの枝が
元に戻ろうとして縮むためです。

市販されている切り餅や丸餅はこの状態です。

とはいえ、内部にはまだ水分が含まれており、
加熱すると再び枝が広がって柔らかくなります

なので、お餅を焼くと内部の温度が急上昇し、
水分が水蒸気となって一気に体積が増えるため
風船のように膨らみます。

反面、煮た場合には、
それほど急激に温度が上がらないため、
膨張するまでは到らないというわけです。

餅の喉への詰まりにはどう対処する?

高齢者が餅を喉に詰まらせて
窒息する事故は後を絶ちませんが
なぜそのようになるのでしょうか?

人間は加齢により、筋力が落ちたり
奥歯がなくなったりして、

かむ力や飲み込む力、
喉に詰まったものを
吐き出す力が低下すると同時に

唾液の分泌も減少するため、
お餅が喉にくっつきやすくなります。

では、このような場合
どのように対処すればよいのでしょうか?

1.食べる前にお茶などを飲み、
 口や喉を十分に潤しておく

2.お餅は一口大よりも
 小さいめに切るようにする

3.よくかんで唾液を絡ませ、
 飲み込みやすくする

以上の3つを心がけるようにしてください。

早く飲み込もうとするあまり、
お茶などでお餅を
のみ下すことも避けましょう。

なぜなら、固体と液体とでは
喉に入るまでの時間が異なり、

同時に飲み込んでしまうと
液体が気道に入ってしまう恐れがありますので、

必ずお餅を飲み込んで
口の中に何もない状態になってから、
お茶などの水分を飲むようにしてくださいね。

まとめ

●お餅が膨らむ仕組み

◯もち米
 ・アミロペクチンの枝は縮んでいて硬い
       
◯つきたての餅
 ・熱と水分で枝が広がり間に水分が入るので粘りが出る
 ・つくことで枝同士が絡まり、弾力が生まれる
        
◯切り餅
 ・枝は縮んでいるが、水分は残っている
        
◯焼くと...
 ・熱が加わると再び枝が広がり柔らかくなる
 ・水分が水蒸気となって膨らむ

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