インフルエンザにかかった妊婦がのむ薬~リレンザとイナビルの場合

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インフルエンザにかかった妊婦がのむ薬~リレンザとイナビルの場合

2016/10/14

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空気が乾燥して気温が低下するこの季節に
最も気をつけなければならない病気は
インフルエンザですが
自分が妊娠期間中には更に
用心しなければなりません。

それは重症化するリスクが
妊娠していない人のそれとは
格段に大きいからです。

この記事ではそのリスクと
対処方である治療薬についてお伝えしてまいります。

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インフルエンザにかかった妊婦がのんでもいい薬は?

まず、治療薬についてご説明する前に

妊婦がインフルエンザを発症した場合の
リスクとはどんなものでしょうか?

妊娠中は普段と比べて免疫力が低下しているため、
いざ、発症してしまうと重症化してしまうリスクが高くなります。

ある統計によると、妊婦がインフルエンザを発症した場合に
重症化する確率は妊娠していない人の約10倍にもなります。

その症状としては肺炎を合併し、動脈血酸素化が不十分になると
人工呼吸器が必要になり集中治療室での治療を余儀なくされます。

他には心筋炎や高熱によるインフルエンザ脳症などもありますが、
胎児に与える影響に関してはさらに注意しなければなりません。

それは、双極性障害という精神疾患、
以前は躁うつ病と呼ばれていた病にかかるリスクが
妊娠中にンフルエンザに感染した母親から生まれた子供は
そうでない母親から生まれた子供と比較して
3.8倍に増加してしまうということです。

ですが、必ずしも感染したからといって
子供が双極性障害になるというわけではありません
症例数も少ないので絶望するほどではありません。
しかし、そうはいっても万が一発症した場合には
速やかに治療をしておきたいですよね。

その妊婦に対し治療薬について
日本産科婦人科学会は早期の予防と
治療に抗インフルエンザ薬の服用を勧めています。

そのため日本では新型インフルエンザによる
妊婦の死亡は現在のところ確認されておらず
大きな成果を上げているといえるでしょう。

また、発症後48時間以内に
抗インフルエンザ薬を服用することで
重症化防止に大きく寄与することが実証されています。

では、その抗インフルエンザ薬について
次の章で個別に解説していきましょう。

インフルエンザにかかった妊婦がリレンザを服用する場合

一般的な治療薬として有名なタミフル(リン酸オセルタミビル)は
2007年の米国疾病予防局のガイドラインではすでに

「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した児に有害事象の報告はない」

と記載されており、
日本においても妊娠と薬情報センターと
虎の門病院が2005年~2009に行った調査の結果報告で
一般的な異常発生率と比べても大きく上回らない可能性が確認されています。

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※この調査では妊娠初期にタミフルを服用して出産した86人のうち、
1人に先天の異常がみられました
が先天異常は
一般的なすべての妊娠において約3%の確率で起こると考えられていますので
その確率は約1%と3分の1になっています。

リレンザ(ザナミビル水和物)は吸入で使用し
局所に作用するため、母体の血中に移行する量も微量で
加えてに口内に残った分を飲み込んでしまったとしても、
血中にはほとんど移行しません。

そして、リレンザにおいても日本産科婦人科学会では
新型インフルエンザが大流行した
2009年~2010年の調査結果で
死産や流産、早産の増加や
妊娠初期の服用においても心形態異常や
その他の形態異常のリスクは
特段の増加を認められなかったとあります。

このため現時点では妊婦のインフルエンザ感染に対して
リレンザ吸入については特に制限を必要とするような副作用は認められず、
使用の有効性が危険性を上回ると結論づけています。

したがって、このふたつの薬剤を使用しても
胎児に重大な影響を及ぼす可能性は極めて低いといえるでしょう。

インフルエンザにかかった妊婦がイナビルを服用する場合

イナビル(ラニナミビル)はリレンザと同様に
吸入器で吸入するタイプの治療薬ですが
発症からできるだけ早くに服用することが求められ、
発症後48時間以上たってしまった場合にはあまり効果が期待できません。

ですが、
1回の吸入で治療薬としての効果が持続するのでとても簡単で重宝です。

このイナビルも
日本産科婦人科学会の産期委員会でら調査結果の報告がありました。
2012年~2013年のインフルエンザ流行期に
治療として112名の妊婦にイナビル(ラニナミビル)投与した結果、
流産した1名を除く111名全員が無事出産され
うち3名に形態異常が確認されました。

これも通常の3%を下回る2%なので
イナビル(ラニナミビル)を起因とした悪影響は
増加しないと報告されていますので
心配することはないでしょう。

まとめ

妊娠中に摂取する薬に対して
とかく神経質になってしまいますが、
インフルエンザが発症し
重症化した場合のリスクを考えると、
ここまでの記事を踏まえた上でも
服用されたほうが良いかもしれませんね。

それでも、心配や不安に思われるのでしたら
かかりつけの医師にご相談されてご判断してください。
あなたは、ご自分の身体と同時に
お腹の中の赤ちゃんも守る義務があることをお忘れなく。

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