梅毒が流行するのはなぜ?原因は?どんな症状で治す方法は?
性感染症の梅毒を発症する人が増えています。
近年は患者数が年間1000人未満で
推移していましたが、
この数年で急増していて、
2017年は5000人を超えています。
そこで今回は梅毒が起こる原因とその症状、
そして治す方法についてお伝えしてまいります。
梅毒が流行するのはなぜ?その原因は?
梅毒が起こる原因としては、
「梅毒トレポネーマ」という
細菌に感染して発症します。
主に性的接触を通じて菌が
粘膜や皮膚の傷から入り、
口や肛門からも感染します。
国内では終戦直後、
患者が年間20万人を超えていましたが、
1990年代前半には
1000人を切りました。
ですが、2013年に
再び1000人を超え、
2017年は11月19日時点で
5053人も出ており、
5000人を超えたのは44年ぶりです。
発症者は20~40歳代の男性に多く、
以前は男性の同性間での
感染が目立ちましたが、
今は異性間での感染が増えています。
20歳代の女性の増加も顕著で、
専門家の間では、性産業に従事する女性と
客の男性に広がっていると推測され
主に大都市に集中していますが、
地方でも増えています。
梅毒はどんな症状?
感染すると血液中に菌を
攻撃する抗体ができ、
感染の有無は採血して
抗体の量(抗体価)を測って診断します。
ですが、感染から3週間未満では、
検査で確定できないこともあるので
注意が必要です。
感染から3~6週間で、
感染部位に潰瘍ができたり、
股関節付近や首のリンパ節が晴れたりします。
「1期梅毒」といわれる時期で
潰瘍は痛みを伴わないことが多く、
特に女性は気づかない場合が多いくあります。
3ヶ月たつとバラの花びらが散ったような
「バラ疹」という赤っぽい発疹あらわれますが、
通常、痛みやかゆみはありません。
皮膚が盛り上がる発疹や
首のリンパ節の腫れが出ることもあり、
これらが「2期梅毒」です。
1~2期の症状は自然に消えますが、
菌は体内で増殖しており、
人に感染させる危険性が高いです。
一部の発症者には髄膜炎や
目と脳に異常が出ることもあります。
治療せず放置した場合は
弁膜症などの心臓疾患や、
認知症のような脳の障害、
失明など重い症状が出ることがあり、
これは「晩期梅毒」といって
感染から数年~数十年後に症状が出ます。
妊婦が感染すると胎児も菌に侵され、
これは「先天梅毒」と呼ばれています。
胎児の肝臓肥大などで
判明することがある一方で、
感染が見逃され、学童期の視力低下などで
気づくこともあります。
梅毒を治す方法は?
治療にはペニシリン系の
抗菌薬の服用が有効です。
1期は1~2週間、
2期は4~8週間、
晩期は12週間
飲み続けなくてはいけません。
服用後、高熱が出ることもありますが、
飲みきることが重要です。
治療後には抗体価が
基準値以下になったことを確認します。
薬を飲めば菌は排除でき、
症状もおさまりますが
治療が遅れれば後遺症が
残ることがあるので油断は禁物です
予防としては、まずリスクの高い
不特定多数の性的接触はけることが第一です。
なぜなら、男性用避妊具の予防効果は
限定的だからです。
無料検査を提供している保健所も多いので
心配がある方は検査を受けましょう。
感染が分かれば速やかに
パートナーに知らせることが大切です。
また、完治するまで性的接触は
絶対に行わないでください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
梅毒は「偽装の達人」ともたとえられ、
様々な症状が表れます。
1~2期は症状がそれほど深刻でなく、
いつの間にか消えてしまうことから
診断や治療の機会を逃しがちなので、
心当たりのある人は早めにけんさを受け、
泌尿器科や産婦人科、
皮膚科などを受診してくださいね。
●感染後の経過と症状
1.1期梅毒 3週間~1ヶ月
・感染部位の小さな潰瘍
・足の付根や首のリンパ節の腫れ
2.2期梅毒期 3ヶ月~3年
・バラ疹などの発疹
・首のリンパ節の腫れ
3.晩期梅毒 3年~
・脳や心臓、目の障害
・弾力性のある腫瘍
・まひ
●予防法
・不特定多数との性的接触を避ける
・心配な時は検査を受け、きちんと治療する
・汗腺が分かればパートナーに伝える
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