食物アレルギーはなぜ起きる?どんな症状でどう治す?
特定の食べ物が摂取できない
「食物アレルギー」は子供に多く、
食事に気を使っている親御さんも
多いと思いと思います。
そこで今回は近年、原因の一部が
解明されてきた食物アレルギーの原因と症状、
どう治すのかについてお伝えしてまいります。
食物アレルギーはなぜ起きる?どんな症状?
食物アレルギーに限らず、
体内に入った病原菌などの
異物を排除する免疫が、
本来は無害のはずの特定の食べ物を
「有害」とみなしてしまうことが原因です。
その食べ物に反応した
「肥満細胞」が、
アレルギーを誘引するヒスタミンなどを
放出して発症します。
国内では乳児の約1割が
発症するとされています。
近年の研究では口からのほかに、
アトピー性皮膚炎などでバリア機能が
低下した皮膚に食べ物の成分が付着することも、
発症のきっかけになることがわかってきました。
原因となる食べ物は、
乳児期は鶏卵と牛乳・小麦がほとんどで、
小学生以上ではエビや
カニなどの甲殻類、ピーナツ、
蕎麦などの割合が多くなります。
■どんな症状?
じんましんや発疹、腹痛や嘔吐、喘息など
皮膚や消化器、過呼吸に様々な症状が出ます。
複数の症状が同時に現れる
「アナフィラキシー」が起こることもあります。
更に血圧が下がって、
意識を失って倒れるケースは
「アナフィラキシーショック」と
呼ばれています。
原因となる食べ物を食べた後に運動すると、
「食物依存症運動誘発アナフィラキシー」という
全身症状を起こす危険性もあり、
小学校で給食後に体育を行った児童が
発症したケースがあります。
●食物アレルギーの症状
.発信やじんましん
.腹痛
.呼吸困難
.アナフィラキシーショック
食物アレルギーはどう治す?
では、この食物アレルギーを
どうすれば治るのかというと、
根本的に治す薬はありません。
原因となる食べ物を避けることが
重要とされていますが、
最近では、可能な範囲で少しずつ食べて、
症状を起こさずにアレルギーに対する
耐性を獲得する
「傾向免疫療法」も注目されています。
この治療法ではまず、
どれだけ食べると症状が
あらわれるのか調べます。
その後、安全な範囲で食べ始め、
目標の量を長期間維持します。
食べるのを中断した後、
再び食べて治ったかどうかを確認します。
この治療法はまだ研究はまだ研究段階で、
ときには激しい症状が出るリスクもあるため、
専門医がいる医療機関に限られています。
経口免疫療法は安全を最優先で行うため、
治療が完了するまで数ヶ月~数年かかり、
自己流で行うのはくれぐれもしないでください。
外出中などにアナフィラキシーショックを
起こした場合、一時的に症状を抑える
「エピペン」という
注射薬を太ももに打ち、
救急搬送する必要があります。
食物アレルギーには遺伝や
環境も関係している可能性があります。
予防は難しいのですが、
乳幼児期にアレルギーの原因となりやすい
鶏卵やピーナツなどを食べ始めたほうが
予防につながるとの説も有力視されています。
最近は、乳児期に湿疹や
アトピー性皮膚炎があると、
その後に食物アレルギーも
発症しやすくなると考えられています。
そのため、赤ちゃんの時期から
肌に保湿剤を塗るなど皮膚の保護に務めることで、
発症を予防できる可能性が指摘されています。
●経口免疫療法の治療の流れ
開始
↓食べられる量を試験
↓
↓
少しずつその量を増やす
↓
目標の量を維持
↓
いったん摂取をやめる
↓
治療効果を確認
※この期間が数ヶ月から数年
まとめ
いかがだったでしょうか?
食物アレルギーは、
少量でも安全な範囲で可能な限り
食べることで克服でき可能性があります。
子供が安全に豊かな食生活を送れるよう、
経験のある専門医とともに
根気強く治療しましょう。
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