フレイル予防はチェックリスト項目で対策できる?イレブンチェックとは?

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フレイル予防はチェックリスト項目で対策できる?イレブンチェックとは?

社会の高齢化が進むなか、
介護が必要になる手前の活力が低下した状態
「フレイル」への関心が高まっています。

そこで今回は、厚生労働省が公表している
基本チェックリストと

東京大学高齢社会総合研究機構が作製した
イレブンチェックをご紹介します。

  

フレイル予防はチェックリスト項目で対策できる?

厚生労働省は、
要介護状態となる恐れの高い

高齢者を自治体などが
簡単に把握できるよう、

「基本チェック」リストを公表しています。

「閉じこもり傾向」
「生活機能全般」など、

7つの指標があり、
全体で25項目の質問項目があります。

●要介護状態になる恐れの多い 
 各要因についてのチェック項目

生活機能全般のチェック
バスや電車で一人で外出していますか
日用品の買い物をしていますか
預貯金の出し入れをしていますか
友人の家を訪ねていますか
家族や友人の相談にのっていますか
       ↓
「いいえ」の数が多いほど、
 生活機能全般が低下しています 

閉じこもりリスクのチェック
週に一度以上は外出していますか
昨年と比べて外出回数の数が減っていますか
       ↓
一つ目の設問が「いいえ」ならリスクあり。
さらに二つ目が「はい」なら要注意

(厚生労働省が作成する25項目の基本チェックリストより抜粋)

豊後高田市ではこれを
介護予防のために活用しており、

「閉じこもり傾向」のある高齢者の割合が、
2012年から2017年にかけて、

12.3%から7.1%へと
5ポイント以上減少しました。

高齢者が自ら「外出したい」と
感じる魅力ある環境を作るのが重要ですが、

その上で、高齢者は自分の健康だけではなく、
地元の活性化という

地域貢献にもつながることを意識して、
積極的な外出を心がけください。

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フレイル予防のためのイレブンチェックとは?

イレブンチェックは冒頭でも
お伝えしたように、

とうきよう大学高齢社会総合研究機構が、
65歳以上の千葉県柏市民約2000人を対象に、

2012年から始めた「柏スタディー」という
研究を元に作られました。

イレブンチェックは、
自分の体力低下のリスクに早く気づき、

生活習慣を見直してもらおうというもので、
「お茶や汁物でむせることがあるか」
「昨年と比べて外出の回数が減っているか」など

11項目に「はい」「いいえ」で
答えていきます。

解答欄の右側に該当すると赤シール、
左側なら青シールを貼ります。

赤シールが多くなるほど、
フレイルのリスクが高いとみなされます。

●イレブン・チェック
1.健康に気をつけた食事を心がけていますか               はい/いいえ
2.野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回は食べていますか   はい/いいえ
3.「さきいか」「たくわん」ぐらいのかたさの食品を普通にかみ切れますか はい/いいえ
4.お茶汁物でむせることがありますが                  はい/いいえ
5.1回30分以上の汗をかく運動を週2以上、1年以上していますか       はい/いいえ
6.日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上していますか はい/いいえ
7.ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか        はい/いいえ
8.昨年と比べて外出の回数が減っていますか                   はい/いいえ
9.1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか                  はい/いいえ
10.自分が活気にあふれていると思いますか                    はい/いいえ
11.何よりもまず、物忘れがきになりますか                   はい/いいえ

フレイルは、筋力などの
身体機能の低下より先に、

社会参加や口の機能の
衰えから始まります。

社会との関わりが薄れると
身体活動も低下して、

口の機能の衰えは栄養不足を
招く恐れもあります。

前述の柏スタディーでは、
同業者がいるのに毎日一人で食べる

「孤食」の人は、1日1回でも
誰かと食事する人に比べて、

うつ傾向になるリスクが約4倍で、
低栄養になったり、

歩行速度が遅くなったりする
リスクも高くなりました。

口の機能の衰えが一定程度確認された人は、
4年以内に要介護認定されたり、

死亡したりするリスクが
高いという結果も出ました。

●日常的に行っている活動の有(◯)無(☓)とフレイルリスク

フレイルリスク     1   1.5  2.1   2.2   5.4   5.9   6.4   17
身体活動(運動)     ◯   ◯   ◯   ☓    ☓   ☓    ◯   ☓
文化活動        ◯   ☓    ◯   ◯   ☓   ◯   ☓   ☓
ボランティア・地域活動 ◯  ◯   ☓    ◯   ◯   ☓    ☓   ☓

 

また、同市の高齢市民
約5万人を対象にした調査では、

必ずしも日常的に
「運動」をしていなくても、

「文化活動」「地域活動」の
両方をしている人は、

フレイルのリスクはそれほど
高くはないという結果がでました。

もちろん運動はしたほうがよいのですが、
あえて、運動・スポーツという形をとらなくても、

人とのつながりがあれば、
結果的に歩くなどの身体活動を
一定程度行っていると考えても良い
でしょう。

フレイルについては、
統一された判定基準があるわけではありません。

海外の報告をもとに、
1.半年で体重が2、3キロ以上減った
2.疲労感が続く
3.運動(農作業も含む)の機会がない
4.握力が男性26キロ、女性18キロ未満
5.青信号のうちに横断歩道を渡れない

5項目中3項目に該当したらフレイルとみなす
という目安が使われることもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

チェック項目の「いいえ」が
少ない場合でも、

油断していると気付かないうちに
チェックに該当としてる場合がありますので、

日頃からチェック項目を意識して
生活するようにしてくださいね。

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