心房細動による認知症のリスクと高齢者はどう防ぐ?

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心房細動による認知症のリスクと高齢者はどう防ぐ?

心房細動患者は認知症になりやすい....
欧米を中心として最近の研究結果から、
こうした見方が定着しつつあります。

まだ、発症の仕組みは
解明されていない点もありますが、

認知症を予防するためにも、
心房細動と診断された場合は
治療の必要があります。

そこで今回は心房細動による
認知症のリスクと、

高齢者はどう防げばよいのかについて
お伝えしてまいります。

  

心房細動による認知症のリスクとは?

心房細動は不整脈の一種で、
心房が不規則にふるえて脈拍が乱れる病気です。

心臓の中で血の流れがよどみ、
血の塊(血栓)がでやすくなります。

血栓が脳の血管に詰まると
思い脳梗塞を引き起こすため、

血栓をできにくくする薬(抗凝固薬)を服用します。

こうした脳梗塞や脳出血など脳卒中を引き金に、
認知機能が低下するのが血管性の認知症です。

主な症状としても、
物忘れや意欲の低下のほか、

同じ作業が状態によってできたり
できなかったりする「まだら認知症」などがみられます。

欧州などで行われた住民の追跡調査では、
心房細動がある人はアルツハイマー型認知症の
リスクを高めるとの結果も出ています。

アルツハイマー型は認知症で最も多く、
脳内にアミロイドβという

異常なたんぱく質が過剰にたまることや、
神経細胞が傷つくことが知られています。

●心房細動とは
・心房が不規則にふるえてポンプ機能が低下
・血流がよどんで血栓ができやすくなる
・動悸、息切れ、胸の痛みなどの症状
・自覚症状がない人も多い

●心房細動と認知症の関係

        脳卒中 
      症状がない脳梗塞
心房細動→ 脳内の卑小な出血 →認知症
      脳への血流低下
    

●認知症の主なタイプと特徵
アルツハイマー型
・脳裏神経細胞が傷ついて脳が萎縮する

・「アミロイドβ」というたんぱく質が過剰にたまる

血管性
・脳梗塞、脳出血などが原因で血流が
 悪くなって脳の一部が壊死する

・同じことができたり、できなかったりする
「まだ認知症」なども

レビュー小体型
・「レビー小体」と呼ばれる異常な物質がたまって
  脳にダメージを与える

・実在しないものが見えたり、
 抑うつ症状が出たりする

 

脳卒中で起こる血管性認知症以外は、
心房細動と認知症の関係はよく分かっていません。

専門家は、心房細動で生じる血管内の変化が
原因ではないかと推測していて、

▷目に見えない小さな血栓が脳の細い血管に詰まる
▷抗凝固薬の影響で脳内に微小な出血が起きる
▷脳内の血液の循環が低下する

などに注目しています。

米国の研究チームは2013年、
信頼できる複数の論文から

8万人超のデータを解析し、
心房細動がある人のうち、

脳卒中を経験した人の認知症リスクは2.7倍、
脳卒中経験がない人のリスクも
1.3倍になるとの結果を発表しました。

いずれも心房細動と認知症の関係を裏付けるものです。

この結果から心房細動が
認知症に悪影響を与えていることは、
ほぼ確実といえるでしょう。

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心房細動による認知症を高齢者はどう防ぐ?

欧米などの不整脈学会は20118年3月、

「認知機能の低下を予防するため、
 適切な抗凝固療法を行うべきだ」

「禁煙や高血圧、肥満の予防などの一般的な健康対策は、
 心房細動や脳卒中のリスクを下げ、認知機能に利益をもたらす」
 

などとする勧告を出しました。

現状では、心房細動を治療すれば
認知症のリスクが下がるとは

明確に言いきれませんが、
研究結果は出始めています。

心房細動は、動悸や胸の不快感で
判明する人もいますが、
症状がなく気付かないままの人も多くいますので

心房細動が疑われたら、
まずは循環器の専門医を受診してください。

心房細動と認知症は、
喫煙や肥満、糖尿病など、

発症のリスクが重なる部分が多いので、
大切なことは、食生活や運動、睡眠など

日頃の生活習慣を見直すことが
心房細動や認知症の予防につながります。

●心房細動と認知症に共通する危険因子
・高血圧
・喫煙
・肥満
・糖尿病
・加齢
・心不全

まとめ

いかがだったでしょうか?

高齢になると心房細動は増えますので、
時々は自分で脈を測って、

脈が乱れていないか
確認することが望ましいです。

ですので、心房細動が疑われたら、
まずは循環器の専門医を受診してくださいね。

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