酸蝕歯の原因や症状、治療法や予防の方法は?

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酸蝕歯の原因や症状、治療法や予防の方法は?

歯が痛くなったり、しみたりする原因は
虫歯だけではありません。

酸味が強い飲食物や、
逆流した胃酸の影響で、

歯の表面が溶けてしまう
「酸蝕歯」の可能性があります。

近年は虫歯、歯周病に次ぐ
「第三の歯の病気」として問題なっています。

そこで今回は、酸蝕歯の原因や症状、
治療法や予防の方法について
お伝えしてまいります。

  

酸蝕歯の原因や症状とは?

歯の表面の「エナメル質」と呼ばれる
組織ははとても頑丈な一方、
酸に弱いという短所があります。

厚さ約1~3ミリしかありませんが、
人の体では最も硬い組織で、
そう簡単にはすり減りません。

ですが、食生活の変化などで、
エナメル質が溶けて痛む酸蝕歯に
悩む人が目立つようになってきました。

酸蝕歯になると、冷たい飲み物や
熱い食べ物などが歯にしみる
知覚過敏になることがあります。

また、歯が薄っぺらになったり、
丸みを帯びたりするほか、
歯が欠けやすくなります。

歯の詰め物やかぶせ物が外れて、
虫歯にかかってしまう人もいます。

それだけではなく、
歯の見た目も悪くなります。

表面の光沢を失ってくすんでしまうほか、
エナメル質の下層にある

淡黄色の「象牙質」が透けて、
基盤で見える場合もあります。

ただ、唾液には酸を中和する働きがあり、
歯を守ってくれていますが、

強い酸性の飲食物を口にすると、
中和作用が間に合わなくなります。

具体的にいうと、数値が小さいほど
酸性度が強いことを示す「pH値」が、

5.5以下になるとエナメル質が
溶け始めるとされています。

pH値が小さい飲食物は、
身近にたくさんあります。

レモン、グレープフルーツ、
オレンジなどの柑橘類や、

炭酸飲料、スポーツドリンクといった
清涼飲料水の一部はpH3前後のため要注意です。

黒酢も同じような値で、
健康や美容に良いからと飲み続けた人が
酸蝕歯になった例も報告されています。

原因は他にもありますが、
特に問題なのは逆流性食道炎や、

嘔吐を繰り返す摂食障害による胃酸の逆流で、
強酸性(pH1.5前後)のため、
歯に深刻なダメージを与えてしまいます。

●虫歯と酸蝕歯の違い
虫歯
・歯垢の中にいる最近が作った酸が原因
・歯垢がたまりやすい部分で起きる
局地的なダメージ

酸蝕歯
・口に入ってきた酸が原因
・酸にさらされた歯の表面全体で起きる
広範囲がダメージ

●主な症状
・黄ばむ
・光沢がなくなる
・丸みを帯びる
・薄っぺらにになる
・詰め物、かぶせ物がとれやすい
・欠ける
・しみる

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●主な飲食物のpH値
中性 
0.7 ミネラルウォーター
6.8 牛乳
6.3 緑茶

5.5 歯がとけ始める値
  (味噌汁・小松菜入り)
4.7 醤油
4.4 日本酒
4.3 ビール
3.8 赤ワイン
3.5 オレンジ
3.2 グレープフルーツ
2.5 栄養ドリンク 
2.1 レモン
溶けやすい

その他:酸性度の高い温泉、
    酢を使ったドレッシング

逆流性食道炎や嘔吐に伴う胃酸

酸蝕歯の治療法や予防の方法は?

治療の方法としては、
一部の歯の局所的な治療で
済むことが多い虫歯とは異なって、

酸蝕歯は多数の歯の表面全体が
治療対象になるケースもあるため、
それだけ厄介ともいえます。

歯がしみる場合は、知覚過敏を防ぐ薬剤で
歯の表面を薄くコーティングします。

それでも改善しないなら、
セラミック製の詰め物や
かぶせ物などで酸を遮ります。

侵食が進んだ歯では、
神経がひどく刺激されるため、
神経を抜くことも選択肢に入ってます。

現在の医療では、一度失われた
エナメル質を完全に再生することはできません。

そのため手遅れになる前に
予防を心がけてください。

ついだらだらと飲み食いしてしまう人は、
歯が酸に何度もさらされてしまうので、

間食の回数を減らすことが大切です。

酸性の飲食物をとった後は、
水で口をすすいだり、

お茶や牛乳を飲んだりして、
口の中をできるだけ中性に近づけましょう。

ガムを噛んで唾液をたくさん出すことで、
口を中性に保つ方法もあります。

必要以上に酸性の飲食物を
避けることはありませんが、

酸から歯を守るという意識を
日頃から持つようにしたくださいね。

●予防するには?
・酸性の飲食物をだらだらと飲み食いしない
・食後は水で口をすすぐ
・ガムを噛んで唾液を多く出して中和する

まとめ

いかがだったでしょうか?

酸蝕歯は虫歯と同様に、
初期に見つけることが何よりも重要です。

自分ではなかかな発見できないので、
かかりつけの歯医者をもつようにして、
定期的に受診することが大切です。

症状に心当たりがある人は
食生活を見直して、診察を受けて、

早めの発見と対処で健康な歯を
維持してくださいね。

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