痰の役割や出る仕組みと痰を病気の診断に役立てるには?

健康

痰の役割や出る仕組みと痰を病気の診断に役立てるには?

咳や痰などの症状で病院を
受診する人も多いと思いますが、

痰の状態によって病気の診断や
治療に役立つことはご存知でしょうか?

そこで今回は痰の役割や出る仕組み、
痰を病気の診断に役立てる方法について
お伝えしてまいります。

痰の役割や出る仕組みは?

咳や痰は、喉から肺に通じる
空気の通り道である「気道」の
異常を知らせるサインの一つです。

気道の表面は粘液で覆われ、
乾燥や微生物の侵入を防いでいます。

粘液の量は呼吸に
支障がないよう調節され、

健康な時は少量で、
気づかないうちに飲み込んでいます。

気道の表面では細かく生えた
線毛が休むこともなく動き、

吸い込んだ異物や微生物をとらえた
粘液をのどの方へ運んでいます。

しかし気道に炎症が起きると、
粘液の分泌量が過剰になり、

繊毛運動による排除が
追いつかなくなります。

そこで、咳をすることによって、
痰として口から吐き出すのです。

厚生労働省の2016年の
国民生活基礎調査では、

体の自覚症状のうち、
男性では、咳や痰が腰痛、
肩こりに次いで3位でした。

●痰が出る仕組み
通常
線毛の運動で粘液がのどの方向に移動


引用元:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/20_seki/

気道に炎症があると
粘液が過剰に分泌されて、
気道内にたまる
このため咳をすると、
痰となって出る

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痰を病気の診断に役立てるには?

日本呼吸器学会が改訂した
診療指針では、「咳と痰」を

一緒に考えることが重要として、
痰を診断や治療に活用する方法が
詳しく盛り込まれました。

痰には炎症を示す細胞や物質、
肺がんの場合はがん細胞も含まれています。

診断や治療に役立つ情報の宝庫です。

たんの色や状態だけで
病気の診断はできませんが、

黄色や緑色なら
細菌感染が疑われています。

長期に痰が続く場合は、
慢性の呼吸器の病気や結核、
がんの恐れもあります。

たんを詳しく検査して
微生物を特定したり、

異常な細胞を見つけ出したりすることで、
病気の診断も可能になります。

神奈川県内の30代の女性は、
2016年4月に咳と

37度台の微熱という症状から、
最初は風邪かと思いましたが、

病院でレントゲン写真を撮っても異常はなく、
熱も気にならなくなりました。

ですが、咳が1ヶ月以上続いたため、
再び病院に行くと、咳喘息と診断されました。

8月にはまた熱が出て、
咳も声のかすれも悪化し
黄色い痰が出るようになったため、

痰を調べたところ結核菌が見つかって、
肺結核、咽頭結核、

気管支結核と診断されましたが、
入院などを経て6ヶ月で治りました。

長引くせきで呼吸の音などに異常がなく、
痰が出る場合は、

副鼻腔気管支症候群の可能性があります。

また、気管支喘息や
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、

痰が過剰に出る症状が長く続くと
呼吸機能が低下し、
病状も悪化しやすくなります。

病気の根本治療を十分に行い、
粘液の分泌などを抑える薬や、

粘液の排出を促す薬などを適切に処方することで、
症状や生活の質(QOL)の改善が期待できます。

●痰で診断するチェックポイント
・量は多いか
・喉に絡むか
・硬いか、粘り気が強いか
・白色、透明はOK
 黄、緑色は細菌感染の疑い
・血が混じっているか
・期間は?
 長期なら慢性の呼吸器の病気、
 がんや結核の疑いも
・1日の中でいつ出るか
・鼻水が喉に落ちているか

まとめ

いかがだったでしょうか?

咳や痰の状態は病状と
密接な関係にあります。

タバコの煙など汚れた空気は
気道の炎症を引き起こして、
咳や痰の原因になりますので、

特に呼吸器の病気を持っている方は、
禁煙が重要なので注意してくださいね。

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