夏の低体温の原因や症状、処置の仕方や準備は?

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夏の低体温の原因や症状、処置の仕方や準備は?

大規模な浸水被害が出やすいのが
夏場ですが、被災地では、

濡れた衣服が風にさらされるなどして
体温が急激に下る低体温症が
疑われるケースが多くありました。

そこで今回は、夏に起きる
低体温症の原因や症状、
処置の仕方や準備について
お伝えしてまいります。

  

夏の低体温の原因や症状、処置の仕方は?

低体温症は、通常は
37度程度に保たれている体の

内部の温度(深部体温)が
35度以下になる状態を指します。

舌先や脇下に入れる通常の体温計で
深部体温を測ることは難しく、

1.震えの有無
2.意識レベル
3.脈拍と呼吸

などで判断します。

軽度(35~32度)ではまず、
体熱を発生させようと筋肉が反射的に運動し、
全身に震えが表れます。

中度(32~28度)では
意識の低下や混濁がみられる一方で、
震えは止まります。

これは、筋肉が運動すら
できない状態になるためです。

高度(28~24度)
重度(24~15度)になると意識だけでなく、
脈拍や呼吸が弱くなっていきます。

処置の仕方としてはまずは風や雨、
寒さを避けられる屋内などに被災者を移します。

衣服がぬれている場合は
着替えさせて毛布などにくるんで、

軽度であれば温かい飲み物を与えて
体温を上げることも大事です。

避難所などでは、ペットボトルに
お湯を入れた簡易の湯たんぽを作り、

太い動脈の通る首や脇下、脚の付け根を
ゆっくり温めるのも効果的です。

水分補給は必要ですが、
カフェインを含むコーヒーや

お茶は利尿作用があり、
脱水を助長するので避けたほうがよいでしょう。

寒さへの感覚が鈍くなる高齢者、
脱水を起こしやすい子供は特に気をつけましよう。

中度以上の場合、体を温めようと
手足の背中をマッサージするのは厳禁です。

わずかな刺激で不整脈を
起こす恐れがあるためで、

無理に動かさず、すぐに救助要請して
病院に運んでください。

●低体温症の症状と処置
重症度   軽度  中度  高度  重度
 
深部体温 35~32 32~28 28~24 24~15
(度)
震え    あり 低下/なし  なし   なし
意識    あり 低下/混濁  なし   なし 
脈拍・呼吸 良好  低下 さらに低下  なし

行うべき処置
・雨、風、寒さなどから避ける
・ぬれていいれば着替えさせ、
 毛布などで保温
・湯たんぽなどでゆっくりと加温

水分やカロリーを補給
・すぐに救助要請して病院へ運ぶ
・安静に寝かせる
・マッサージは厳禁

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夏の低体温に対する準備は?

夏の低体温症には着替えや
防寒具の備蓄も欠かせません。

大学教授などでつくる
一般社団法人「日本家政学会」は、

衣服の備え方などをまとめた冊子を作成して、
ホームページで公開しています。

ジッパー付きのビニール袋に下着や靴下、
タオルを3日分、雨風を防ぐウィンドブレーカー、

吸水・速乾性に優れた合成繊維の
衣服を準備しておくことを勧めています。

ダンボールや梱包材を
体に巻き付けるのも有効です。

衣服やタオルを圧縮袋で
コンパクトに密閉し、
防災バッグに入れておくと効果的です。

衣服はかさばることもあり、
食料や水に比べて備蓄意識は低いですが、

着替えの有無が生死を分けることも
あるということを心得ておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

たとえ暑さの厳しい夏場といえど、
適切に処置しないと

死に至る可能性もありますので、
油断せずに注意してくださいね。

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