フレイルとはなにか、その予防方法や改善方法 、チェック方法と政策は?

健康

フレイルとはなにか、その予防方法や改善方法 、チェック方法と政策は?

超高齢化社会を迎えて、
健康寿命を延ばすことが
喫緊の課題になっています。

心身の衰えを早期に
見つけるための方法として、

要介護になる前の状態の
「フレイル」が注目されています。

そこで今回は、フレイルとはなにか?
その予防方法や改善方法、

チエック方法や政府の対策について
お伝えしてまいります。

  

フレイルとはなにか?

年齢を重ねると、全身の衰えが進み、
やがて介護が必要な状態になります。

健康な時より心身は弱っているものの、
介護が必要なほどではない
という中間の段階を
「フレイル」と呼んでいます。

「frailty(フレイルテイ)」に
基づく言葉で、日本老年医学会が
2014年に提唱しました。

フレイルに注目が集まるのは、
この時期に生活に気をつければ、
改善の余地が残されているためです。

高齢者の身体は
個人差が大きいのですが、

弱ってくると、筋肉の量も質も低下して、
筋力が衰えます。

そして、

外出しなくなる→
エネルギーの消費量が減る→
食欲が落ちる→栄養不足になる

という悪循環が起きます。

65歳以上の高齢者のうち、
フレイルになっているのは1割、
約350万人という推計があり、

フレイルの高齢者の
その後を調べた調査では、

3割以上が2年後に
要介護認定を受けていました。

認知症になる可能性が
高いとの研究報告あります。

歩行や食事、入浴が1人で難しくなり、
入浴が1人では難しくなり、

入院や死亡のリスクが2倍前後に
高まることも知られています。

フレイルは、身体だけでなく、
こころの影響も大きくなります。

仕事や子育てが一段落した高齢者は、
社会とのつながりが薄れがちです。

外出の機会が減る、
1人で食事をとるなど、

孤立すると、うつ状態に
なりやすくなります。

それが活力の低下を招いて、
身体の衰えを加速させます。

フレイルになったら、
あるいはそうなる前に、

生活全般を見直すことで、
より長く健康を維持できると
期待されています。

フレイルの予防方法や改善方法は?

フレイルは適切な食事や運動、
地域活動への参加などにより、
現状の改善や予防が期待できます。

食事には十分な注意が必要です。

中高年の間で特定健診
「メタボ健診」が定着しています。

高齢者は小食が望ましいと
考える人も少なくありません。

ですが、高齢者、
特に75歳以上になると、

メタポよりフレイルの方に
注意が必要です。

フレイルの予防や改善のため、
多くの種類の食材を
取り入れることが勧められます。

肉や魚は、筋肉のもとになる
たんぱく質を豊富に含んでいます。

野菜や果物を合わせて食べると、
筋肉量や体力の低下を
抑えることが期待できます。

東京都健康長寿医療センター研究所は、

魚、油、肉、牛乳、緑黄色野菜、
海藻、芋、卵、大豆製品、果物
の10種類のうち、

7種類以上を毎日食べるよう呼びかけています。

頭文字で
「さあにぎやか(に)いただく」
と覚えるとよいでしょう。

●毎日摂るのが望ましい食品
 かな (魚)
 ぶら (油)を使った料理
 く  (肉)
 ゅうにゅう (牛乳)
 さい    (野菜) 
 いそう   (海藻) 
 も     (芋)
 まご    (卵) 
 いず    (大豆)製品 
 だもの   (果物)
※毎日7種類以上が目安 

運動によって、衰えてきた筋肉や
バランス感覚を鍛えることも大切です。

椅子につかまってももを
ゆっくり上げ下げしたり、

かかとを上げ下げしたりすると、
効果があるとされていますので、
できる範囲で毎日続けてください。

屋内での運動に加えて、
少し息が弾むくらいの大またで
ウォーキングしたり、
坂道や階段を登ったりするのを
習慣にしましょう。

趣味やボランティアなどに
積極的な人は、運動だけをしている人より、

フレイルになるリスクが
低いという研究もあります。

運動が苦手でも、
地域の活動に参加することが、
健康づくりにつながります。

●フレイル予防に効果的な運動
1.ももを4秒かけて上げ、
  2秒間そのままの姿勢を 
  保ち、4秒かけて元の状態に戻します

2.かかとを上げ、10秒間静止した後、
  ゆっくり元に戻します

3.息を吐きながらゆっくり立ち上がり、
  一度呼吸した後、ゆっくり
  椅子に腰掛けます。

1.は左右交互で1セット。
いずれも10回(セット)繰り返す

フレイルのチェック方法は?

フレイル当てはまるかを調べる
簡単な方法としては、

国立長寿医療研究センターが作成した
チェック方法があります。

5項目の質問に答えるチェック表を使い、
数分で現在の状態がわかります。

質問は「半年間で2~3キロの体重減少があったか」
「以前より歩く速さが遅くなったと思うか」
「5分前のことを思い出せるか」などで、

それぞれ栄養状態、身体機能、
認知機能を把握するものです。

5問のうち3問で、心身の衰えに
あてはまる回答をすると、
フレイルと判定されます。

1~2問だと予備軍のぷれフレイル、
一つも該当しなければ健康とみなされます。

詳しく調べたい時は、
握力や歩行速度など、
客観的なデータも踏まえて判断します。

来年度も始まるフレイル健診では、
厚生労働省が作った全15問の質問票を使います。

健康上のリスクを総合的に
とらえる内容になっています。

「1日食職きちんと食べているか」と
食習慣を確認する問に続いて、

「半年前に比べて硬いものが
 食べにくくなったか」と
口の機能の衰えについて尋ねています。

外出の頻度、家族や友人との
交流に関する設問は、
社会参加の有無を把握するのが狙いです。

社会とのつながりが薄い人は、
身体が衰えやすく、

要介護認定を受けるリスクが高い
というデータがあります。

回答結果から、フレイルなど
心身の衰えが観られると判断された人には、

保健師らがウォーキングを勧めたり、
地域のサークル活動や老人クラブを
紹介したりすることが想定されています。
 
●フレイルチェック表(5項目)
問   質問内容         回答
 半年間で2~3キロ以上の  はい いいえ
  体重減少があった

 以前より歩く速さが    はい いいえ
  遅くなった 

 ウォーキングなどの運動を はい いいえ
  週1回分以上をしている

 5分前のことを思い出せる はい いいえ

 (ここ2週間)わけもなく はい いいえ
  疲れたたような感じがする

問1、2、5が「はい」で1点。
問3、4が「いいえ」で1点
        ↓
合計が3点以上:フレイル、
1~2点:プレフレイル、
0点:健常

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フレイルのための政策は?

政府は、健康上の問題がなく過ごせる
「健康寿命」の延伸を
重要課題と位置付けています。

2040年まで男女ともに2016年比で、
3年以上延ばして
75歳以上にする目標掲げています。

実現に向けた施策の柱の一つとして、
フレイル対策に力を入れています。

65歳以上の高齢者は、
40年頃に約4000万人に迫り、
ピークを迎えるとされています。

医療や介護にかかる
社会保障給付費は増大を続け、

国の推計では40年度に
18年度の約1.9倍の約94兆円に達します。

特に介護サービスに
かかる費用は伸びが大きく、

40年度には約2.4倍の
約26兆円となる見込みです。

健康に過ごせる期間を
少しでも延ばすことができれば、

高齢者本人や家族の生活の質が向上し、
社会の支え手を増やすことにもつながります。

介護を受ける期間を短縮し、
重症化する時期を先延ばしすることで、

社会保障の伸びの抑制も期待できます。

経済産業省は、フレイルや
認知症の予防に取り組んだ場合、

34年までに介護費用の伸びを抑える効果は、
対策を行わなかった場合と比べて、
約3兆円に上ると試算します。

厚生労働省は、フレイル対策を強化するため、
市町村などで別々に行われていた
高齢者の健康作りと介護予防の事業を、

来年度からは一体的に
実施する取り組みを本格化させます。

公民館などで行われる高齢者向けの催しに、
保健師や管理栄養士などを派遣し、
フレイルへの関心を高めたい考えです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

お伝えしたように、
簡単なチェック方法や
予防方法・改善方法を行うことで、

効果的にフレイルを
防ぐことができますので、

年々体の衰えを実感されている方は
ぜひ試してみてくださいね。

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