もやもや病の症状や原因、治療方法は?

健康

もやもや病の症状や原因、治療方法は?

脳の血管が詰まる脳梗塞の多くは、
加齢に伴う動脈硬化によるものですが、

子供や若い人なら
「もやもや病」の可能性もあります。

進行を抑えきれない難病ですが、
近年はバイパス手術の
治療成績も向上しています。

そこで今回は、もやもや病の症状や原因、
治療方法についてお伝えしてまいります。

  

もやもや病の症状は?

大泣きする、暑い食べ物を吹き冷ます、
リコーダーを吹くといった動作で、

片方の手足や顔がしびれて
動かしにくくなったり、

言葉が出せなくなったりする症状が
数十秒~数十分間続きます。

吐き気を伴う重い頭痛を
訴える人も少なくありません。

脳の一時的な血液不足
(脳虚血)によるもので放置できません。

長年にわたって網の目状の血管に
負担がかかり続けると、
血管が破れて出血を起こす恐れもあります。

大人の患者の半数は、
脳出血を起こした時点で

初めてこの病気と診断され、
その後も高い確率で出血を繰り返します。

特に、脳の後ろ半分で起きる出血は
再発リスクが高いとされ、
命に関わる場合もあります。

●もやもや病の主な症状
一過性発作
手足が動かしにくい
しびれ(手足、顔)
うまく言葉が出ない

脳梗塞、脳出血
頭痛
けいれん

もやもや病の原因は?

左右の脳に血液を送る2本の
「内頚動脈」は、目の後ろあたりで、
「前大脳動脈」と「中大脳動脈に」枝分かれし、
脳に血液を行きわたらせます。

ところが何らかの原因で、
この分岐点付近の血管が

狭くなって血流が滞ると、
何とか血液を届けようと、

周囲に細い血管が自然に
たくさん生えてきます。

こうした網目のように異常な血管が
発達したのがこの病気です。

ちょっと変わった名前はなのは、
脳内で網の目状に広がった

異常な血管がかつての検査画像で、
たばこの煙のようにもやもやと
見えたことから付けられました。

日本や韓国、中国など東アジアに多く、
国内の推定患者数は約1万6000人で、

女性の割合が多く、
患者のほぼ3人に2人を占めています。

年齢層でみると、5歳前後と30~40歳代に
脳梗塞や脳出血のピークがあり、

小児はほとんど脳虚血、
成人は脳虚血と脳出血が半々でした。

近年、この病気を起こしやすい
遺伝子異常が見つかり、

盛んに研究されていますが、
詳しい原因は分かっていません。

脳梗塞や脳出血を引き起こす
動脈硬化や高血圧症、

糖尿病などの生活主運病も、
もやもや病の発生には
直接関わっていないとされています。

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もやもや病の治療方法は?

脳虚血の症状がある場合は、
血栓を作る血小板の働きを抑えて
血流を改善するアスピリンなどの薬を服用します。

ただし、投薬治療だけでは
効果が限られているため、

頭皮を走る血管を脳内に引き込み、
血液が滞っている血管につなげて血流を補う
「脳血管バイパス手術」が行われています。

脳虚血の治療として
始まったこの手術の導入で、
脳梗塞になるリスクが大きく低下しました。

最近の臨床研究では、
脳の後ろ半分で起きる危険性の高い

出血の予防に大きな効果があることがわかって、
今後の標準的な治療になると考えられています。

脳虚血の場合は、頭蓋骨に
張り付いている筋肉や
頭皮の血管の一部をはがし、

脳の表面に密着させて血管再生を促す
「関節バイパス手術」もあります。

手術後は、日常生活での
制限は多くありませんが、

たばこは血流が
悪くなるためやめてください。

脱水状態も大敵なので、
サウナや岩盤浴、
酒の飲みすぎを控えましょう。

日常生活で注意すべきこと
たばこ...血管を収縮させる
過度の飲酒
サウナ
岩盤浴

手術後はおすすめできない
(脳に強い振動のおそれ)
ボクシング
ラグビー

影響が不明
ヘディング(サッカー)

まとめ

いかがだったでしょうか?

原因究明の手がかりが少なく、
脳出血の再発を抑えるのが
難しい病気でしたが、

国内での長年の研究で、
治療や診断は大きく進歩しました。

とはいえ、いまだに予防法はなく、
患者が減っているわけでもありませんので、

脳梗塞や脳出血を防ぐためにも、
早期発見と適切な治療が大切です。

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