同性カップルの相続や税制の注意点やお金をめぐる問題は?

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同性カップルの相続や税制の注意点やお金をめぐる問題は?

同性婚が認められていない日本では、
同性カップルの相続や税制位などの扱いは、
婚姻関係にある夫婦とは異なります。

そこで今回は、
同性カップルの相続や税制の注意点や
お金をめぐる問題についてお伝えしてまいります。

  

同性カップルの相続や税制の注意点やお金をめぐる問題は?

同棲カップルの税制について
60代のAさんと50代のBさんを
例に説明しますと、

Aさん名義のマンションで同居し、
Aさんが生活費を稼いで、

Bさんは「主夫」として
家事全般を担当していました。

最近Aさんが病気を発症して、
生死の境をさまよいました。

幸い一命をと取り留めたものの、
再発の可能性もあり、
将来のことを考えるようになりました。

AさんとBさんは、
法的にはただの同居人にすぎず、

このため、もしAさんがなくなっても、
Bさんは遺族年金はもらえません。

またAさんの財産を
相続することはできないので、

Bさんは生活費に困るだけではなく、
マンションにも
住み続けられなくなる恐れもあります。

AさんとBさんは婚姻関係にないため、
民法などで夫婦に認められた権利がありません。

遺言書を書いておけばAさんの死後、
財産をBさんに残すことは可能です。

ただ、遺言書で遺贈できても、
親が存命の場合、

親の遺留分(法が定める最低限の相続分)
考慮しなければならず、

二人の関係を家族に
説明する苦労も伴います。

財産をすべて遺贈できたとしても、
税額が軽減される配偶者控除などの
特例がBさんには認められません。

そのため、相続税を
課される可能性も高くなります。

なので課税される場合に備え、
現金やすぐに換金可能な財産を
用意する必要があり、

民間の生命保険で
用意することもできます。

生命保険では、同性のパートナーを
保険金の受取人に指定できる商品も増えています。

Aさんが加入する外資系の保険も
Bさんを受取人に指定できるため、
相続税や今後の生活費の見通しも立ちます。

ただし、この場合も
法定相続人でない人が受取人になるため、

法定相続人に認められている死亡保険金の
非課税対象にはならないので気を付けましょう。

●同性カップルのお金をめぐる現状と対策
        現状       対策
住宅の    多くが不可  一方が購入、ローンを返済。
共同ローン         他方は家賃を払い、
              ローンの連帯保証人に

賃貸住宅  同性同士は入居 同居に理解ある物件を探す。
      を拒否しがち  URはシェアハウス制度で対応可能
              
相続    法定相続なし  遺言を記す
  
税制    配偶者控除なし 共働き 
  
社会保険  非扶養扱いなし 共働き
の扶養

Aさんが亡くなった場合
           Aさん(死亡)→Bさん 注意事項
遺産相続(遺言なし) ✗できない  民法規定なし   
遺産相続(遺言あり) ◯できる   配偶者控除なし。遺留分を考慮

生命保険の      △可能な   同性パートナーが受取人に
受け取り       ケースも   なれる商品もある
 
遺族年金の      ✗できない  過去に事例なし
受け取り
 

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子育て、住宅、老後資金という
人生の三大出費のうち、

子育てをする同性カップルは少ないのですが、
残る二つは各自で用意する必要があります。

ローンを組んで自由宅を購入する場合、
同性カップルでも共同ローンを利用できる
金融機関はまだ少ないため、

一方が購入してローンを組み、
他方を連帯保証人になって
家賃を支払うといったケースがあります。

賃貸住宅は、シェアハウス人気などを背景に、
同性の同居を認める物件も増えています。

都市再生機構(UR)も門戸を開いており、
居住可能な物件を積極的に紹介する
不動産会社もあります。

同性パートナーに扶養されていても、
専業主婦(主夫)のように
「第3号被保険者」として年金を受給したり、

遺族年金が認められたりする
ケースは確認されておらず、

法的な婚姻関係になくとも、
男女の事実婚は生活実態に合わせて

年金が支給されており、
同性カップルとは大きな違いがあります。

同性カップルは法的な位置づけがなく、
これまで周囲に関係を証明できませんでした。

ですが、2015年に東京都渋区と世田谷区が
パートナーシップ証明書の発行を始めて、

その後も茨城県や札幌市、
福岡市などにも広がっています。

こうした証明書があれば、
生命保険の契約や公営住宅への入居が
スムーズになります。

この他にも、お勧めなのが
「同性パートナーシップ合意契約書」です。

共同生活上の合意事項をまとめたもので、
公証役場で公正証書にしてもらえば、
重みも増すため、

救急車に同情したり、パートナーの病状を
医者から聞いたりする時など、
日常生活で役立つこともあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

同性婚が社会的に認められるように
なってきたとはいえ、

税制面や民間保険では
まだまだ男女婚と比べて
法律的に整備されているわけではないので、

万が一のことを考えて、
できるだけ早いうちに対策を
とっておきたいところですね。

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