1月からの所得税見直しで控除はどう変わる?

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1月からの所得税見直しで控除はどう変わる?

税制の見直しで1月から所得税の税額を
計算する仕組みが変わりました。

基礎控除が引き上げられ、
自営業などで働く人の多くは
税負担が軽くなる一方、

高収入の会社員などは
増税になる人もいます。

そこで今回は、所得税制と控除が
どのように変わったのかについて
お伝えしてまいります。
 
  

1月からの所得税見直しで控除はどう変わる?

所得税は収入に課せられる税金のことで、
収入は給料や年金、

賃貸用不動産からの収入など
人それぞれです。

これらの収入から必要経費や
給与所得控除などを差し引いた後、

さらに一定の金額を除いた分を
「課税所得」として、
この金額に基づき税率が決まります。

一定の金額を除くことを
所得控除といいます。

扶養家族や障害の有無など
個人の事情を加味して
税負担を調整するのが目的です。

今回、所得控除の中の基礎控除と、
給与所得控除が見直されました。

総合的に考えないと、
自分にどんな影響があるか分かりません。

基礎控除は、すべての納税者が使え、
生活のための基礎的な経費を
収入から差し引くイメージです。

改定前は一律38万円でしたが、
1ヶ月から10万円引き上げられ
48万円なりました。

ただし、上限があり、
所得の合計が2400万円を超えると

段階的に減って、
2500万円超であればゼロになります。

給与所得控除は、会社員や公務員など
給与を得ている人が対象で、

スーツ代など、働くのに必要な
経費と考えるとよいでしょう。

給与所得控除の額は年収で変わります。

改定前は、年収が1000万円を超えると
控除額は220万円で頭打ちになる仕組みでした。

改定後の控除額は、基本的に
一律10万円に引き下げられます。

さらに、控除額が頭打ちとなる
年収は850万円超に下がり、

控除額の上限も25万円少ない
195万円になりました。

今回の改定は、多様化する
働きを反映したものです。

改定によって、給与所得控除が
受けられない自営業やフリーランスの人は、

基礎控除が引き上げられた分、
税負担は軽くなりました。

では、どういう人が増税になるのか、
会社員や公務員でも、
年収が850万円以下の場合、

基礎控除の引き上げ分と、
給与所得控除の引き下げ分が、

いずれも10万円で同じため、
相殺され変化はありません。

年収が850万円を超えると、
基礎控除の引き上げ分より、

給与所得控除分の方が大きくなるため、
控除額が減って税負担が重くなります。

例えば、年収900万円の人は、
改定前は基礎控除額が38万円、
給与所得控除額は210万円でした。

改定後は、基礎控除は
48万円に増えましたが、

給与所得控除は195万円に減りました。

控除額は差し引き
5万円のマイナスになります。

配偶者控除などの
他の控除はない条件だと、

改定前後で所得税は約1万円増え、
住民税も加えた増税額は約1万5000円です。

年収1000万円では約5万円、
1200万円では約6万6000円の増税です。

ただし、年収850万円超でも、
22歳以下の子供を扶養している人などは、
負担を和らげる対策が取られました。

対象者は850万円以下のサラリーマンと
同様に税負担の変化はありません。

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今回の改定では、年金収入にかかる
控除の仕組みも変わりました。

年金収入が1000万円を超える人など
収入の多い高齢者は増税になります。

国民年金や厚生年金による収入には
「公的年金等控除」が適用されています。

今回の基礎控除の引き上げに伴い、

公的年金等控除は
一律10万円引き下げられました。

上限も設定され、
年金収入が1000万を超えると、
控除額が195.5万円で頭打ちになります。

年金受給者の中には、
働いて給料を得たり、

賃貸用不動産からの家賃があったりと、
他に収入源がある人もいます。

その場合は、年金以外の収入が
1000万円を超えるケースでは、

公的年金等控除がさらに
引き下げられるようになりました。

大半の人は変わりませんが、
年金収入が1000万円を超える人や、

年金以外の収入が1000万を超える人は、
控除額が減るため、増税になります。

●所得税制はどう変化したか
1.基礎控除は10万円引き上げ
 改正前  →  改正後
38万円    48万円
※所得がの合計が2400万円を
 超えると段階的に引き下げ 

2.給与所得控除は
10万円引き下げ、上限は195万円
年収       改正前  →  改正後
16.25万円以下   65万円     55万円 
 
162.25万円超          年収×40%
180万円以下   年収×40%   -10万円

180万円超    年収×30%  年収×30%
360万円以下   +18万円    +8万円

360万円超    年収×20%  年収×20%
660万円以下   +54万円    +44万円

660万円超    年収×10%  年収×10万円
850万円以下   +120万円   +110万円
        
850万円超    年収×10%
1000万円以下   +120万円   195万円

1000万円     220万円    195万円

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の改定によって、
自分がどのような控除が受けられるのか、

把握している方は
まだ多くないと思いますので、
一度整理してみてくださいね。

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