冬季うつが起きる原因や治療法、注意することは?
うつ病の患者の中には、
日照時間が短い冬などに、
気分が落ち込んだり
日中に強い眠気が出たりする人がいます。
この症状は「冬季うつ病」
(季節性感情障害)と呼ばれ、
強い人工光を浴びる治療を行うと、
症状の改善期待できます。
そこで今回は、
冬季うつが起きる原因や治療法、
注意することについてお伝えしてまいります。
冬季うつが起きる原因は?
日光を浴びる機会が少ないと、
「セロトニン」という神経伝達物質が減ります。
この物質には、気分を
落ち着かせる働きがあります。
冬季うつ病の患者は、
光を浴びる量に敏感で、
症状が表れやすいといわれています。
患者は、糖分を必要以上に
欲するようになるのも特徴です。
糖分がセロトニンを増やすことに
関わっているためです。
患者は、冬の日照時間短い地域に
比較的多くみられています。
そのほか、日照時間が少なくなる梅雨時や、
外出する機会が少ない生活を送ると、
発症する場合があります。
国内の医療機関を
対象に行なった研究では、
成人のうち、冬季うつ病が疑われる人は
約2%だと報告されています。
冬季うつ病とは
秋冬の夜長や天候不良による日照不足
セロトニン料の減少
↓
症状
・気力の減退
・日中の強い眠気、長時間睡眠
・パン、甘い菓子などの欲求
冬季うつの治療法は?
主な治療法として行われているのが、
患者に強い人口光を浴びてもらう
「光療法」です。
一般的な居室の照明の
20~50倍明るい光を出す
スタンド式の装置を使い、
朝起きてから30分ほど光を浴びます。
1分間に5~10秒ずつ、光源を見つめると、
網膜の光を感じ取る細胞が刺激されて、
脳に伝わると、生活リズムが整います。
セロトニンの生成も
増えると考えられています。
長年、うつ症状に悩む女性の例では、
冬になると頻繁に体調を崩していたのが、
光療法を受けると症状は改善して、
休んでいた仕事にも
復帰できたということです。
海外のある研究では、
この治療を受けた冬季うつ病患者の
約6割に改善効果かみられ、
薬による治療と同等の効果があると
報告されています。
●光療法
光を浴びる際のポイント
・装置を体から30センチほど離して、
顔の正面に向ける
・起床後、30分間光を浴びる
・1分間に5~10秒は光源を正視する
冬季うつで注意することは?
一度の患者の中には、
強い光を見ることで頭痛や
吐き気を訴える人もいます。
また、双極性障害(そううつ病)の場合は、
躁状態になることがあります。
光の浴び過ぎには注意が必要です。
光療法は、冬季うつ病以外のうつ病患者のち
治療法としても有効とされています。
海外で行われた複数の研究では、
不眠などの改善がみられました。
日本うつ病学会のうつ病の治療指針では、
薬を使った治療と組み合わせることで
効果が高まるとしています。
光療法、公的医療保険の対象外ですが、
装置は数千円から数万円で購入できます。
貸し出しを行う医療機関もあります。
セロトニンを増やすには、
生成に関わる「トリプトファン」と呼ばれる
アミノ酸の摂取も欠かせません。
この物質は、食物でしか
取ることができません。
タラコなどの魚卵やチーズ、ヨーグルト、
バナナ、ナッツ類といった食材に
豊富に含まれています。
魚や肉、乳製品などは、
バランス良く食べることが大切です。
●トリプトファンを豊富に含む食品
肉
魚
バナナ
乳製品
ナッツ類
まとめ
いかがだったでしょうか?
冬季うつは一般的なうつ病と異なっており、
食欲があるなどのため、
病気に気づいていない人も多くいます。
今回の記事を読んで
冬季うつ病の可能性を感じている人は、
ぜひ医療機関を受診して、
適切な対策を取ってくださいね。
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