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配偶者住居権とはなに、その仕組みや注意点は?

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相続法制の大型見直しに伴い、
4月から「配偶者居住権」という
新しい仕組みが始まりました。

夫の死後、残された妻が安心して
自宅に住みながら、

生活に困らないように
設けられたものです。

そこで今回は、配偶者住居権とはなにか?
その仕組みや注意点について
お伝えしてまいります。

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配偶者住居権とはなに、その仕組みや注意点は?

国税庁がまとめた2018年の
相続税の申告実績によると、

相続財産の金額・評価額のうち、
土地が35%、家屋が5%で、
不動産が計40%を占めています。

現金や預貯金と異なり、
不動産は簡単に分けられません。

とくに主な財産が
自宅によって占められ、

預貯金は少ない場合は、
分割が難しくなります。

これまで、自宅の所有権を
持ち夫が亡くなり、

妻と子が財産を相続する場合、
自宅は妻が相続して住み続け、

その結果、預貯金は子が
多く相続することになるのが一般的でした。

しかし、相続する預貯金の額が
自宅の時価より少ないと、

残された妻は自宅しか相続できず、
先々に経済的に苦しくなることが課題でした。

妻と子で自宅の所有権を半分ずつの
持ち分の共有財産にして妻が住み続けて、

預貯金も半分ずつにする
という分け方もあります。

しかし、共有の不動産は
全員の同意がないと売れず、
抵当権の設定などもできないため、

子が自分の住宅購入などで
まとまった現金が必要になった場合、
揉め事の種になってしまいます。

また、相続財産のほとんどを
自宅が占める場合などは、
売却して現金化して分け合い

、妻は住み替えるという
選択肢もありますが、

高齢の女性が住み慣れたうちを離れて
引っ越すというのは
なかなか難しいという指摘もあります。

そこで夫の死後も、
妻が自宅を離れずに済むことを念頭に、
相続法制が改正され、

「配偶者居住権」が新しく新設されました。

亡くなった人が所有していた自宅に、
配偶者が原則として、
傷害無償で住み続けられる権利です。

これに伴い、自宅建物の権利を
「配偶者居住権」

「配偶者居住権の負担付き所有権」に分けて
相続できるようになりました。

自宅の居住権を妻が、
負担付き所有権を子が相続する形が多く、

自宅の土地も敷地利用権と、
敷地利用権の負担付き所有権に分けられます。

居住権の評価額は、建物の築年数や
配偶者の年齢などによって異なります。

配偶者が高齢で物件も古いと少なく、
配偶者が若く物件も新しいと高くなります。

ただ、通常は所有権より居住権の方が
評価額は低く計算されることが多いため、

改正前よりも配偶者は
預貯金を多く確保できます。

例えば、夫名義の自宅が2000万円、
預貯金が3000万円、
計5000万円の財産を
妻と子が半分ずつ相続するとします。

配偶者居住権を設定し、
その価値が800万円の場合、

妻が受け取れる預貯金は1700万円で、
設定しない場合に比べて
1200万円多く確保できます。

配偶者所有権を持つ子に
家賃を払う必要はありませんが、

修繕にかかった費用や固定資産税相当分などは
負担することになります。

居住権は配偶者が亡くなると消滅し、
完全な所有者になります。

消滅する権利のため、
配偶者が亡くなった後の
2次相続では相続税の課税対象になりません。

ただ、配偶者所有権は自動的に
取得できるわけではなく、

取得するには、亡くなった人の財産を
相続する人全員の同意を得て
遺産分割協議書を作成するか、

亡くなった人が生前に、
居住権を配偶者に遺贈する旨の
遺言書を残す必要があります。

また、居住権の売却や譲渡はできず、
妻が生きている間に居住権を
放棄することはできますが、

所有権を持つ子に居住権を
贈与したものとみなされて、

贈与税が発生してしまいますので
注意が必要です。

●配偶者居住権のイメージ
夫の財産 自宅:2000万円    預貯金:3000万円

    所有権:2000万円  妻 預貯金:500万円 
               子 預貯金:2500万円


    配偶者居住権:800万円   妻 預貯金:1700万円

    負担付き所有権:1200万円 子 預貯金:1300万円

まとめ

いかがだったでしょうか?

配偶者住居権を利用する人は、
妻と子の折り合いが悪いケースなど、
それほど多くないとみられています。

ただ、節税対策に利用できる場合もあり、
遺産分割や遺言の選択肢として、
知っておいて損はないでしょう。

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