画像下治療とはなに、その活用の意味は?

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画像下治療とはなに、その活用の意味は?

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がん患者に対して、
画像で体内の様子を見ながら
治療する画像下治療(IVR)が広がっています。

進行したがんの苦痛を和らげたり、
がんを縮小させたりすることを目的に、
大がかり外科的処理をせずに行う治療です。

患者の負担も軽減されるため、
体力が低下した高齢者にも
対象を広げられる特徴があります。

そこで今回は、画像下治療とは
どのようなもので、

その活用の意味について
お伝えしてまいります。

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画像下治療とはなに、その活用の意味は?

IVRによる治療はコンピューター断層撮影法(CT)や
超音波などの画像を確認しながら、

カテーテルと呼ばれる
細い管を血管内に通したり、
皮膚から針で刺したりして進めます。

IVRは、がん患者の苦痛を
和らげる治療で効果を発揮しています。

進行した膵臓がん患った
50歳代の女性の例では、

椅子に座ると皮膚がひっぱられて
激しい痛みに襲われ、

両足が腫れ上がって
膝が曲がらなくなったため、

主治医に診てもらったところ、
肝臓に転移したがんが
「下大静脈」と呼ばれる血管を圧迫し、

下半身の血液が心臓に
戻りにくくなっていることなどが、
むくみの原因とわかりました。

外科手術や薬物、放射線療法でも
症状の改善が難しい状態でした。
 
そのため女性は、主治医の紹介で
国立がん研究センター中央病院IVRセンターで
治療を受けることになりました。

脚の付け根と首からカテーテルを通して
磁気共鳴画像(MRI)で確認しながら、

血管の狭くなった部分にステントと
呼ばれる金属製の網状の筒を挿入します。

地利用を終え血流が良くなり、
むくみがとれた女性は苦痛がなくなって、

買い物にも行けるように
なったということです。

がんを縮小させる目的でIVRを
活用するケースとしては、

肝臓がんや腎臓がんなどへの治療に
公的医療保険が認められています。

どちらもまず、超音波の画像などで
がんの位置を観察します。

肝臓がんの場合は、特殊な針を
皮膚の表面から患部に刺し、

ラジオ波と呼ばれる電磁波を
発生させて焼くラジオ波焼灼療法があります。

腎臓がんでは、先端が極めて
低温になる針を皮膚からがんまで刺し、
がん細胞を凍らせて破壊します。

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チューブを通す小さな傷ができる程度で、
局所麻酔ですみ、

治療時間や入院期間が短いのが利点です。

 
●がん治療における画像下治療
治療前
膵臓がんの転移で下大静脈が細くなり、
血液が心臓に戻りにくくなったため、
下半身がむくむ

治療後
脚の付け根から金属状の
筒(ステント)を挿入し、血管が広がる。
血流がスムーズになり、
下半身のむくみがなくなる

●がんの縮小を目的にした治療
肝臓がんのラジオ波
焼灼療法のケース
体の外から細い針を刺し、
特殊な電磁波を照射してがんを焼く
 
利点
・小さな傷ですみ、体への負担が小さい
・体力が落ちた高齢者らも対象
・痛みの緩和にも使える

課題
・実施できるのは一部の医療機関にとどまる
・専門医が少ない
・保険が効く治療が限られる

しかし、現状ではIVRを実施する医療機関は限られており、
IVRは主に放射線科医が担当します。

日本IVR学会によると、
学会認定の専門医の1085人(20205月現在)です。

専門医が在籍する病院は331箇所で
東京や大阪など大都市に偏る傾向があり、

緩和医療の分野では、
IVRをあまり知らない医師が多いので、
地方ではさらに普及が求められています。
 
保険が適用される治療が
限られている点も課題の一つで、

有効性を調べる臨床研究を一つずつ進めて、
適用の拡大も必要です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

IVRを希望する場合、
まずは主治医に相談するとよいでしょう。

日本IVR学会のホームページで、
専門治療を受けられる医療機関を

確認することができますので
ご参考にしてくださいね。

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