難聴の高齢者の接し方や対策と補聴器の活用の方法は?
高齢になると音が聞こえにくくなって、
難聴を放っておくと周囲との
コミュニケーションがうまくできずに
孤立したり、脳への刺激が減ったりして
認知症のリスクが高まる恐れが
指摘されています。
危険の察知も遅れかねず、
補聴器を使用するなど
早期のケアを心がけたいところです。
そこで今回は、難聴の高齢者の接し方や
対策と補聴器の活用の方法について
お伝えしてまいります。
難聴の高齢者の接し方や対策と補聴器の活用の方法は?
国立長寿医療研究センターの研究では
65歳以上の難聴者は推計約1500万人で、
65歳から増えて、75~79歳では
男女とも7割に上ります。
難聴の高齢者はそうではない人よりも、
認知機能の低リスクが1.6倍高いという
同センターなどの調査結果もあります。
加齢によって耳の奥にある音を
感じる細胞が衰える「加齢性難聴」は
両耳とも徐々に高い音から
聞こえにくくなる特徴があります。
症状が進んでも治療による回復は難しいですが、
補聴器を使うなど早期に聴力を補うケアができれば、
生活の質を保つことができます。
家族の話が聞きづらい、
車や自転車が近づく音に気づけないなどの自覚や、
テレビの音量が大きいといった
兆候があれば受診の目安になります。
この程度であれば、
まだ大丈夫と自己判断せず、
少しでも困ることがあれば受診してください。
「補聴器外来」を置くか、
補聴器相談医がいる耳鼻咽喉科を受診し、
「認定補聴器技能者」がいる販売店で
購入するとスムーズです。
補聴器は耳に×ものや
耳の穴に入れるものが主で、
ピンクやorなどカラフルで
おしゃれなデザインが増えています。
マスク越しの声を聞きやすくしたり、
無線通信でスマートフォンと連動させて
音声を文字化したりする機能もあります。
標準的な購入費用は片方で
10万~20万円です。
医療保険や介護保険は使えませんが、
医療費控除の対象になる場合があります。
難聴の診断後、聴力検査で
言葉の聞き取り具合などを確認します。
データに基づいて、補聴器を選び、
音量や音質を調整します。
装着の違和感から使用を諦める人もいるので、
効果を確かめるため、
購入前に1ヶ月程度試用できることが多いです。
補聴器の購入で、普通の声の大きさで
会話できるようになったり、
細かく調整することで聞き取りやすさが
実感できるようにもなります。
ただ、難聴で音の刺激が少クなかった脳が
補聴器で聞こえる音になれるまでに
3ヶ月はかかります。
最初は自分の声や周囲の音が
うるさく感じられますが、
調整しながら常に使うことが大切で
慣れると暮らしやすくなります。
意思疎通を助ける機器を
活用する方法もあります。
福祉用具やー生活用品を扱う
事業所やオンラインショップでは
筆談用の磁気ボードを販売しています。
何度でも書いたり消したりでき、
軽量で持ち運びしやすいです。
音声を認識して文字に変換するアプリを
スマートフォンにダウンロードして、
会話で利用するのも便利です。
大阪府の堺市では昨年度、
介護予防教室に支援機器を試験導入しました。
マイクを通して音声を難聴者が
聞き取りやすい音質に変換して
スピーカーでお伝える
「コミューン」で、
ユニバーサル・サウンドデザインが開発しました。
10万~20万円台で家庭でも使えます。
難聴者への接し方としては、
難聴者は相手の話が聞き取れなくても
「何度も尋ねると迷惑をかける」と気を使って、
わかったふりや曖昧な返事をしがちです。
介護では家族が根気強く、
ゆっくりとしたコミュニケーションを
心がけることが大切です。
顔を見て一語ずつ区切って、
はっきり話しましょう。
伝わらなければ言葉を繰り返したり、
別の言い方に変えたりしてください。
筆談を積極的に取り入れてるのも良く、
難聴者の気持ちに寄り添うことが必要です。
実は難聴でも大きい音は刺激になります。
大声で話されると耳が痛くなって
つらいという人は多く、
人との会話を避けて内向的になる
心配も生まれます。
かかりつけ医や介護事業所にも
注意点を伝えて、理解してもらいましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
来客や電話、火災などを光振動で
知らせる市販の屋内信号装置や、
警察・消防にFAXやインターネットで
通報するシステムもあります。
困ったら地域の難聴者と家族で
作る団体にぜひ相談してください。
悩みや経験を分かち合え、
助言が得られますよ。
関連記事:加齢性難聴とは、その原因や症状、治療法や予防方法は?
加齢による耳鳴りはなぜ起きるその原因や治療の方法と治療例は?