脳腫瘍のウイルス療法による治療薬とは? 脳腫瘍のウイルス療法による治療薬とは?

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脳腫瘍のウイルス療法による治療薬とは?

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特殊なウイルスを使った悪性脳腫瘍の
新薬が条件付きで承認され、

2021年8月に公的医療保険の
対象となりました。

ウイルスを使ったがん治療薬が
国内で実用化されるのは初めてで、
今後生存率を高められる可能性があります。
 
そこで今回は、脳腫瘍のウイルス療法による
治療薬についてお伝えしてまいります。

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脳腫瘍のウイルス療法による治療薬とは?

脳腫瘍は、脳の細胞や
神経などにできるガンです。

手術でがん細胞を切除したり、
放射線を当ててガンを
小さくしたりして治療します。

抗がん剤もありますが、
悪性度が高い場合、

ガンが増殖するスピードが速く、
治療が難しいのが現状です。

新たに開発されたのは、
がん細胞だけで増えて破壊する

特殊なウイルスを使った薬
「テセルパツレブ」です。

感染力が強く、細胞を殺す力が比較的強い
「単純ヘルペスウイルス1型」
遺伝子を改変しています。

周囲の正常な細胞に対する
免疫を高めることができます。

この薬は直接、腫瘍に注入します。

頭を器具でしっかり固定し、
頭蓋骨に小さな穴を開けます。

そこから針を刺し、
腫瘍のある部分に投与します。

1回目と2回目5~14日の間隔、
3回目以降は4週間ごとに、
最大6回注入します。

新薬の対象は、「膠芽腫」など、
悪性度が高く「神経膠腫」の患者です。

放射線治療など、標準的な治療を実施しても、
十分な効果が得られなかったり、
再発してしまったりした場合に使います。

治験では、悪性神経膠芽腫のうち、
膠芽腫の患者19人に新薬を投与し、
1年後の生存者率を調べました。

このうち13人を解析したところ、
生存率は92.3%でした。

膠芽腫の場合、標準的な治療をしても、
1年後の生存率は15%程度と考えられています。

従来の治療法と比べて高い結果が
示されたことを受け、今回承認されました。

ただし、治験に参加した人が少なかったため、
今後も新薬で治療した患者のデータを集めて、

7年を期限に有効性と安全性を
確認していくことになっています。
  

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●脳腫瘍のウイルスの治療薬
脳腫瘍とは
・頭蓋骨の中にできる腫瘍
・細胞や神経などから発生する「原発性」と、
 肺がんや乳がんなどから転移する「転移性」に分けられる
・悪性度により「良性」と「悪性」がある
・治療法は、手術のほか、放射線治療や抗がん剤治療

新しいウイルス治療薬
・「単純ヘルペスウイルス1型」の遺伝子を改変して作られ、
  がん細胞だけを破壊する
・対象は、膠芽腫など、悪性度が高い「神経膠芽腫」
・放射線や抗がん剤による治療でも効果がなかったり、
 再発したりした場合に投与する

神奈川県に住む、会社員の男性(58歳)は、
2016年に膠芽腫と診断されて、
手術や放射線治療を受けました。

しかしよく2017年に再発し、
新薬の治験に参加しました。

同年に計6回新薬を注入しました。

それからこれまで4年半の間、
転移や再発はなかったということです。

投与すると、翌日に高熱が出ましたが、
その後、特に副作用に悩まされることは
なかったそうです。

●新薬が効く仕組み
新薬を注入する
   ↓
ウイルスが増えて、
がん細胞を破壊する 
   ↓
周囲のがん細胞にウイルスが拡散し、次々に死滅させる

・発熱や嘔吐などの副作用がある
・治験の参加者が少なく、
 今後7年を期限に安全性と有効性を確かめる

まとめ

いかがだったでしょうか?

新薬は今のところ、
治験を実施した東大医科研病院でのみ
使用されています。

製造販売元の第一三は順次、
ほかの医療機関でも投与できるように
していきたいとしています。

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