鼓膜が破れる原因や治療の方法は?

耳の病気やケガで鼓膜が破れると、
聞こえが悪くなります。

自然に塞がらなければ開いた穴を
塞ぐ手術をしますが、

細胞の増殖を促す薬剤を使って
鼓膜を再生させる治療法が開発され、
2019年に公的医療保険の対象となりました。
　
この治療を受けられる医療期間が
少しずつ増えてきています。

そこで今回は、鼓膜が破れる原因や
治療の方法についてお伝えしてまいります。

鼓膜が破れる原因は?

鼓膜は、空気の振動を受け止めて震えます。

振動は、音を電気信号に
変換する内耳に伝えられ、
その情報は脳に伝達されます。

しかし、
①中耳炎などの耳の病気を発症する
②耳かきが鼓膜に刺さる
③ボールがぶつかる
④飛行機に乗った時に気圧が急激に変化する
といったことが起こると、
破られてしまうことがあります。

1～2ヶ月ほとで自然に
塞がることもありますが、

破れたままにしておくと、
音が聞こえなくなったり
耳鳴りなどの症状が出たりします。

●鼓膜とは
音の元となる空気の振動を受け止めて震え、
その情報を脳に伝える
破れると、聴力が低下する

破れる主な原因
中耳炎など耳の病気
耳かきが刺さる
耳周辺にボールがぶつかる
飛行機内での気圧の急激な変化

放置すると...
・耳鳴りなどの症状が出ることがある
・補聴器を使っていてもよく聞こえない
・認知症のリスクが高まる恐れがある

鼓膜が破れの治療の方法は?

補聴器をつかっていル人は、
十分な効果が発揮されなくなります。

また、聞こえが悪い状態を放置すると、
認知症がリスクが高まるという
研究報告もあります。

治療は、一般的に穴を防ぐ手術を行います。

耳の後ろを切開して筋肉を包む膜などを
切り取り、鼓膜に移植します。

通常は数日から10日程度の
入院が必要ですが、

鼓膜が正常に形成されず、
聴力が十分に改善しないケースもあります。

一方、鼓膜の再生治療は、
細胞の増殖を促す薬剤を染み込ませた
ゼラチン製のスポンジを使います。

まず、敗れた鼓膜の縁に少し傷をつけて
細胞の働きを活性化させます。

その後、ゼラチンスポンジを詰め、
医療用の接着剤で固定します。

処置にかかる時間は約20分で、
治療は多くの場合、
日帰りで受けられます。

再生治療は、中耳炎を患っていないなど、
２割程度の軽症者が対象です。

受けられる人は限られますが、
切開する必要がなく、
体への負担が軽くて済みます。

９割以上の人は３～４週間で
鼓膜が再生し、聴力が改善します。

炎症などの副作用が出ることもありますが、
いずれも軽く済んでいます。

奈良県の男性（70歳）は、
20歳代の頃から両耳の鼓膜が破れたままでした。

それでも生活は送れていましたが、
3年ほど前、家族との会話で

聞き間違いが多くなるなど、
耳が聞こえにくくなりました。

2021年9月、病院で治療を受けると、
音がよく聞こえるようになりました。

この治療は現在、大学病院など
全国約400の医療機関で実施されています。

●主な治療法
再生治療
細胞の増殖を促す薬剤を染み込ませた
「ゼラチンスポンジ」を詰める

日帰りか1、2日入院

治療の対象は2割程度の軽症者。
重症の中耳炎の人などは対象外

鼓膜が再生するため、聴力は9割以上で改善する

従来の手術
耳の後ろを切開し、
筋肉の膜などを取って移植する

通常は数日から10日程度入院

重症の人も含めて対応できる

鼓膜が正常に形成されず、
聴力が十分に改善しないこともある

まとめ

いかがだったでしょうか?

一部の医療機関で、
再生治療を始めてから

手術でなければ対応できないと
分かるケースが見受けられます。

手術も行える医療機関を選ぶとともに、
事前にしっかりとした診察を
受けることが重要です。

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