がん遺族ケアの必要性とガイドライン、どう言葉をかける? がん遺族ケアの必要性とガイドライン、どう言葉をかける?

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がん遺族ケアの必要性とガイドライン、どう言葉をかける?

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がんなどで大切な人を亡くして、
深い悲しみを抱える人を支える
「遺族ケア」について、

がんと心の関係を扱う
専門医らでつくる2つの学会が6月、

医療者向けに日本で
初めて指針をまとめました。

言葉のかけ方や関わり方の
注意点も記載され、
一般の人にも参考になりそうです。

そこで今回は、
がん遺族ケアの必要性とガイドライン、

どう言葉をかければよいのかについて
お伝えしてまいります。

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がん遺族ケアの必要性とガイドライン、どう言葉をかける?

指針をまとめたのは、
日本サイコオンコロジー学会と
日本がんサポーティブケア学会です。

きっかけは、国立がん研究センターが2019、
2020年、がんで家族を亡くした
遺族約11万人を対象に、

1~2年後の気持ちなどを尋ねた
大規模調査でした。

約5万4000人が回答し、
抑うつ症状があるのは19.3%でした。

強い悲しみを感じたのは
30.9%に上りました。

また、カウンセリングや投薬など、
医療的な支援が必要だと感じたのは
21.7%でしたが、

実際に支援を受けたのは
6.8%にとどまりました。

遺族ケアの環境整備が
不十分などが明らかになり、

両学会が国内外の論文や
遺族の証言を集めて、
指針を作りました。

指針などによると、
がんなどの病気で肉親や
友人などを亡くした場合、

8割は自力で少しずつ日常を取り戻しますが、
2割は長引く強い悲しみに苦しみます。

米国の研究によると、
こうした悲しみを抱えた人が

うつ病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)の
両方を併発する割合は35.9%に上ります。

自殺を図るリスクもあるため、
治療が必要になります。

国も伊作ケアの重要性は認識しています。

日本のがん医療の大方針を示す
「第3期基本計画」でも、
緩和ケアの中に位置付けいます。

ただ、こうしたケアの担い手になる
精神腫瘍医は全国で約130人にとどまり、

遺族ケア外来を設ける医療機関も
限られている課題もあります。

●がんなどの遺族ケアの必要性
・がん遺族の大規模調査で、
 医療ケアが必要な人が一定数いることが判明
・6月に日本で始めての医療者向け遺族ケア指針がまとまる

大阪市のMさん(53歳)は2017年8月に
夫をスキルス胃がんで亡くなりました。

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Mさんは悲しみから不眠になり、
家にこもりがちになりました。

そんなMさんを支えたのは、
夫の治療に当っていた
大阪急性期・総合医療センターでした。

2ヶ月に1回、看護師の
カウンセリングを受け、

センターの遺族会
「赤とんぼの会」にも参加しました。

自分と同じような遺族が月2回集まり、
気兼ねなく自分の気持ちを打ち明け合ったり、
世間話をしたりするのが楽しみで、
少しずつ元気を取り戻しました。

Mさんは
「プロによる医療ケアと仲間との
おしゃべりの両方が大切。
もっと広がってほしい」と話しています。

会では、言われて傷ついた言葉も
話題に上りました。

Mさんは、明るい色の服を着た時に
「元気になったみたいね」と言われ、
ショックを受けました。

明るい色の服は、沈む気持ちを無理にでも
盛り上げるために選んでいたからです。

指針では、こうした励ますつもりでも
逆効果になる言葉をまとめています。

  

●指針の主なポイント
遺族にかけるべきではない言葉(一般市民にも参考になる)
いつまでも悲しまないで
気がつかなかったの?
そろそろ再婚したら
楽になったでしょ
元気そうね
寿命だったのよ

そのかわりに
・そばに寄り卒て、傾聴する

必要があれば
・精神腫瘍医がいる、あるいは遺族ケア外来がある
 医療機関の受信を勧める
・がん相談支援センターに相談するように促す

まとめ

いかがだったでしょうか?

周囲の人はそっと寄り添って
傾聴に徹してください。

必要だと感じたら、
がん相談支援センターへの
相談を勧めてくださいね。

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