壊死性リンパ節炎とは?その原因と症状は?どう治療すればいい?
「壊死性リンパ節炎」は
若い女性が発祥することが多く、
診断名がつかないことも多い
やっかいな病気です。
主に首のリンパ節が腫れ
高熱が長期間続きますが、
熱を下げる処置をして安静にしていると、
ほぼ自然に良くなります。
そこで今回はそんな
「壊死性リンパ節炎」について
その原因と症状、治療について
お伝えしてまいります。
壊死性リンパ節炎とは何?その原因は?
リンパ節は、体に侵入した
細菌やウィルスなどの異物を捕らえ、
攻撃するリンパ球が集まった免疫器官です。
壊死性リンパ節炎は、
このリンパ節の働きが細菌や
ウィルスなどの刺激で活発になり、
原因が排除された後も症状が続くと
考えられています。
主に20歳~30歳代の
若い女性が発症します。
また、患者は欧米ではあまり見られず、
日本も含めたアジアに多いのも特徴です。
1972年に福岡大の
菊池昌弘教授らが発見し、
世界では「菊池病」
「菊池-藤本病」とも呼ばれています。
ただ、なぜアジアの女性に多いのか
分かっていません。
1万通り以上ある白血球の
「ヒト白血球抗原(HLA)」という型が、
発症に関連しているという説があります。
壊死性リンパ節炎の症状は?
7~8割の人は首のリンパ節ですが、
わきの下などが晴れる人もいます。
腫れは2、3cm程度と小さいものです。
すぐに38~39度台の高熱が出て、
数週間から、長い人で数ヶ月も続きます。
発疹が出たり、肝臓や脾臓が
腫れる場合もあります。
診断は非常に難しく
病院に行っても診断名がつかず、
患者さんが不安を募らせることもあります。
リンパ節が腫れ発熱する
悪性リンパ腫や自己免疫疾患の
「全身性エリテマトーデス」
(SLE)に間違われやすく、
SLEは壊死性リンパ節炎と同時に
起きることもあります。
採血をすると白血球が
減少しているなどの特徴がありますが、
最終的にはリンパ節に針を刺し、
組織を取って病理検査をしないと
確定的な診断はできません。
●壊死性リンパ節と間違われやすい病気
・感染性リンパ炎
細菌やウィルスが原因。
細菌であれば抗生剤が効く
・悪性リンパ腫
リンパ球のがんで、
60~70歳代での発症が多い。
進行するとリンパ節の腫れが複数で大きくなる
・全身性エリテマトーデス
女性に多い難病。
発熱、全身の倦怠感発疹、
臓器障害などが起きる
壊死性リンパ節炎の治療は?
一般的なリンパ節炎は
細菌やウィルスの感染で起き、
細菌感染であれば抗生剤の
服用で数日で治りますが、
壊死性リンパ節炎に抗生剤は効きません。
高熱が出ている間は解熱剤を飲み、
十分な栄養と水分を取って
安静にしているしかありません。
そうすれば、ほとんどの場合は
自然に良くなります。
熱が続いて体力の消耗が激しい場合などは、
ステロイド剤を投与し、
免疫反応を抑え込む治療を
行うこともあります。
免疫を抑制すると感染症にかかりやすくなり、
肺炎など合併症のリスクが高まるので、
ステロイド治療は慎重に行われます。
海外ではマラリアの治療薬を
使うことがありますが、
この治療法には保険が適用されません。
また、約3%の人が病気を
再発するというデータがあります。
再発までの器官は1ヶ月~数年とされています。
予防には免疫機能を良い状態に
保つことが重要で、免疫は肉体だけでなく、
精神的な上体とも密接に関係しいます。
ストレスをためないよう心がけ、
睡眠や食事をキチンと取って
健康的な生活を送ることが大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
珍しい病気なので、病院に行っても
原因不明の発熱と言われることがあり、
首のリンパ節が腫れ、抗生剤を飲んでも
1週間以上高熱が下がらない時は、
大学病院などの血液内科を受診してくださいね。
熱が続く期間が長く
対症療法しかありませんが、
難しい病気ではありませんので、
過度に心配しないでくださいね。
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