特別支給の老齢厚生年金はいつからでもらえる金額はいくら?
会社員や公務員の老後の
生活を支える厚生年金は、
原則65歳からの支給ですが、
「特別支給の老齢厚生年金」は
60歳前半で受け取れる年金です。
そこで今回は、
特別支給の老齢厚生年金は
いつからもらえうことができ金額は
いくらなのかについて
お伝えしてまいります。
特別支給の老齢厚生年金はいつからでもらえる金額はいくら?
定年後も勤務先に雇用されて働いていたら、
ある日、日本年金機構から
送られた封書の中を見ると、
「63歳になると『特別支給の老齢厚生年金』を
受け取る権利が発生します」
という書面と請求書が入っていた....
あなたにもそのような日が
来ないとはかぎりません。
では、この特別支の老齢年金とは
なんなのでしょうか?
特別支給とは、厚生年金の
支給開始年齢の引き上げに伴う
経過措置のことで、
支給開始年齢を一度に上げると、
無年金期間や老後の生活資金不足で
困る人が出る心配があるからです。
厚生年金は「老齢年金」と、
現役時代の給与などに比例して
支給額が決まる「老齢厚生年金」
で構成されます。
老齢基礎年金は65歳支給開始ですが、
老齢厚生年金は60歳~65歳への
支給開始年齢の引き上げが
進められています。
特別支給の開始年齢は、
男性は2020年度に62~63になる人が63歳、
60~61歳になる人が64歳。
2020年度末時点で59歳以下の男性と、
54歳以下の女性には特別支給はありません。
特別支給の年金を受け取っても、
65歳からの年金は、
受給開始を繰り延べて
年金額を増やすことができます。
特別支給には繰延制度はないので、
通知が来たら必ず 手続きを行いましょう。
では、いくら受け取ることができるのでしょうか?
毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」に年間の
「受け取り見込額」が書いてありますが、
それをまるまる受け取れるとは限りません。
働き続ける場合は、支給額が減額されたり、
全額支給停止になったりすることがあります。
全額受け取れるのは、
働いた賃金にあたる「総報酬月額相当額」と
年金の「基礎月額」の合計が28万円以下の場合です。
総報酬月額相当額は、
月給に直近1年間のボーナスを
12で割った金額を足した額(賃金)です。
基本月額は、年金定期便に乗っている
受け取り見込額を12で割った額が目安です。
合計額が28万円を超えると
受取額は基本月額より少なくなります。
具体的な支給額は
①年金の基本月額が28万円以下か超か
②総報酬月額相当額47万円以下か超か
によって計算します。
結果がゼロかマイナスだと
全く支給されません。
2022年4月から全額受け取れるのは
「28万円以下」「47万円以下」
に引き上げられます。
注意したいのは雇用保険の
「高年齢雇用継続基本給」や
「高年齢再就職給付金」を
受けている場合です。
賃金が定年前の75%未満に減った場合、
新しい賃金の最高15%が給付される制度です。
この給付金を受け取ると、
賃金の最大6%分が減額されます。
とはいえ、失業給付を受けている期間は
年金もストップしますので
安易な転職は控えたほうがよいでしょう。
●特別支給の開始年齢
2020年度末の年齢 特別支給開始年齢
男性 62~63歳 63歳
60~61歳 64歳
女性 61歳 61歳
59~60歳 62歳
57~58歳 63歳
55~56歳 64歳
●60歳代前半の年金の受け取り月額計算式
総報酬月額 年金 受取額の計算式
相当額 基本月額
合計が28万円以下 全額受け取り
47万円 28万円 年金基本月額-(総報酬月額相当額+
以下 以下 年金基本月額-28万円)÷2
28万円 年金基本月額
超 -総月額相当額÷2
47万円 28万円 年金基本月額
超 以下 -[(47万円+年金基本月額-28万円)
÷2+(総報酬月額相当額-47万円)]
28万円 年金基本月額
超 -[47万円÷2+(総報酬月額相当額
-47万円)]
まとめ
いかがだったでしょうか?
雇用形態を業務委託や
パートなどに変えて
厚生年金の加入者でなくなれば、
年金は減額されません。
ただ、現在のまま働き続けるのが
厳しいと思われるのなら
働き方を変えてみても
よいかもしれませんね。
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