年金の財政検証とはどのようなもの? 年金の財政検証とはどのようなもの?

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年金の財政検証とはどのようなもの?

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国が運営する公的年金
(国民年金と厚生年金)は5年に1度、

様々な試算で財政状況をチェックする
「財政検証」が行われます。

厚生労働省は既に、
来年予定している次期検証に向けた
作業を始めています。

そこで今回は、
年金の財政検証とはどのようなものか
お伝えしてまいります。

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年金の財政検証とはどのようなもの?

少子高齢化と日本経済の停滞で、
年金財政は厳しさを増しています。

2020年からは、
そこに新型コロナウイルスの
感染拡大が追い打ちをかけました。

コロナの影響がどう表れるか、
注目が集まっています。

コロナ禍の当初、
厚労省は経済への打撃を懸念していました。

公的年金は現役世代が納める保険料が、
その時々の高齢者に年金として支払われる
「賦課方式」基本になっています。

現役世代の賃金が下がれば、
保険料が十分に入ってこなくなり、
年金財政が悪化します。

ただ、それから3年余りがたち、
日本経済は少しずつ立ち直りつつあります。

厚労省は2019年に行った前回の検証で、
標準的とされるケースの

長期的な賃金上昇率を年2.3%
(物価上昇分を除いた実質上昇率は1.1%)
と想定していました。

経済学者などから「楽観的過ぎる」
という批判が目立つものの、

関係者の間では、厚労省がこうした想定を
余り大きく下方修正しないという
見方が広がってます。

少子化が加速している影響はどうでしょうか。

前回の検証では、
1人の女性が生涯に生む子供の数の
推計値(合計特殊出生率)が
将来1.44なると想定しましたが、

実際にはコロナ禍以前から低下が続き、
2021年に1.30まで落ち込みました。

次期検証を前に、
国立社会保障・人口問題研究所は4月、
新たな人口推計を公表しました。

それによると、
コロナ禍で婚姻数が減ったことが

響いて2023年の出生率は1.23に低下し、
将来も1.36までしか回復しない見通しです。

これは制度を支える将来の現役世代が、
従来の想定より減ることを意味します。

さらに、平均寿命が延びて年金受給が
長期化することも予想されています。

いずれも年金財政にはマイナスの要因です。

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ただし、厚労省は日本で暮らす外国人が、
以前の推計よりかなり増えると見込んでいます。

保険料を納めて制度を支える効果が
期待できるため、プラスの要因です。

厚労省は
「少子化などによるマイナスが、
おおむね相殺される」としています。

とはいえ、日本は賃金があまり上がらず、
海外の人材から見た魅力が
低下してきたと言われます。

厚労省のもくろみ通りになるとは限りません。

前回の財政検証では、
厚生年金に加入する
会社員世帯が受け取る給付水準が、

30年後には2割ほど低下する
見通しが示されました。

次期検証では、さらに悪化する
可能性も指摘されています。

そこで厚労省が検討しているのが、
公的年金の加入義務を原稿の
40年から45年に5年伸ばす改革案です。

現行制度では20歳から
60歳になるまでの40年間、

どの職業でも加入が義務づけられています。

65歳になるまで延ばし、
その代わり給付額を増やしたい考えです。

●新型コロナの影響で公的年金は?
前回の財政検証(2019年)    次の財政検証(2024年予定)
経済前提 現役世代の賃金が長期的に → あまり下方修正しない?
     年2.3%に上昇
     (標準的なケース)

少子化  合計特殊出生率    →   将来は1.36
     将来は1.44        (下方修正)

まとめ

いかがだったでしょうか?

保険料の負担増を伴うので、
加入者の反発を招く可能性もあります。

厚労省が必要性を丁寧に説明し、
理解を得られるかが問われそうですね。

関連記事:年金の物価スライドとは?
     付加年金制度とはなに、上乗せできるものは?



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