離婚で発生する税金は?財産分与や慰謝料にいくらかかる?

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離婚で発生する税金は?財産分与や慰謝料にいくらかかる?

夫婦が離婚する時には、
慰謝料や財産のやり取りだけではなく、

実はそれに伴って
税金が課される場合もあります。

そこで今回は、離婚で発生する税金や
財産分与や慰謝料のやり取りで発生する
税金についてお伝えしてまいります。

  

離婚で発生する税金は?

離婚時に関係するお金として、
暴力や不貞行為など

離婚の原因となった事実による
精神苦痛への「慰謝料」や、

子供を育てるのに必要な「養育費」、
婚姻中の財産を夫婦で分ける
「財産分与」などがあります。

慰謝料や財産分与で不動産を譲る場合、
課税される可能性があるので注意が必要です。

どのような場合に課税されるのか、
具体例をあげると

例えば、夫のA男さんがB子さんに対して、
3000万円の財産を分与して離婚したとしましょう。

2000万円で購入して、
離婚時の時価は3000万となった
マンションを譲って代物弁済した場合は、

時価から減価償却後の
代金を差し引いた額が

A男さんの「譲渡所得」となり、
A男さんに対して所得税が課されます。

妻から対価を受け取っておらず、
利益があったわけではないのに所得税が
課されることに疑問を持つかもしれません。

譲渡所得とは、不動産などの資産を売却、
譲渡するときに発生する利益です。

A男さんのケースでは、
仮に減価償却後の代金を1800万円とすると、

これを時価3000万円から
差し引いた1200万円の所得を得た上で、

B子さんへの債務3000万円を
ゼロにしたみなされます。

税率は住民税も含め、
不動産の保有期間が譲渡する年の

1月1日時点で5年以下の場合は約40%、
5年超の場合約20%です。

先祖代々受け継いできた土地を譲る場合、
取得時の金額が低いことが多く、

譲渡所得は高額になりがちで、
その分、税金も高くなります。

ではマンションが時価1000万円の場合は
どうなるかというと、

譲渡損が発生するので
税金はかかりません。

ただし、A男さんは、財産分与のために、
2000万円分を補う必要があります。

また、B子さんに贈与税や
所得税は原則、課税されません。

財産分与は贈与とはみなさんれず、
非課税所得とされています。

では、不動産を譲る場合、

節税のためには
どのような工夫をすればよいのでしょうか?

居住用の不動産だった場合、
確定申告時に特例を適用することで

譲渡所得から3000万円を
控除することができます。

A男さんの場合はこれより
譲渡所得は全額控除され、
所得税はかかりません。

期限内の確定申告が必要なので、
まずは税理士などに相談して
課税対象かどうか確認しましょう。

正しい時価を把握することも大切です。

不動産鑑定士などに築年数や
修繕状況などを正しく把握してもらい、
適切な時価を算出します。

離婚に伴って、
不動産を譲ることはよくあります。

譲る側は課税対象になるのか確認して、
忘れずに控除を申請するなどの対応をしましょう。

●離婚に伴って発生する税金
   支払う側    →  受け取る側
 譲渡所得税      原則として非課税 
 が発生する      ※不動産所得税が
 ※ただし、      かかる場合も 
  所得控除の特例あり

 原則非課税ですが、財産分与や慰謝料の
 額が多すぎる場合や、財産隠しに離婚したと
  判断された場合などは贈与税が発生する可能性も

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離婚の財産分与や慰謝料に税金はいくらかかる?

財産分与や慰謝料のやり取りでは、
ほかにも税金が発生する可能性があります。

国税庁の通達では、
離婚時の財産分与ではないとしたうえで、

「分与の額が多すぎる場合や、
 離婚によって贈与税や相続税を
 免れようとした場合は贈与となる」

と明記されています。

税金逃れや財産隠しに
離婚を利用したと判断された場合には
課税される可能性があります。

高額すぎる慰謝料も
課税されることがあります。

慰謝料は一般的に、
協議や裁判を通して、

違法行為の内容や
程度などにより決まります。

だいたい200万~
300万円程度のことが多くあり、

これを大幅に上回っていると
贈与税の対象となる可能性があります。

養育費も、一般的に
必要と認められる範囲を超えると、
贈与税の対象となります。

生活費や教育費の名目で
受け取った財産を、株式や家の
購入に充てた場合など、

多すぎる養育費は
課税対象になるとされています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

離婚時は相手との折衝に
労力を割かれることが多いですが、

お伝えしたように財産分与などには
税金が発生しますので、

その点についても
目配りをしておいてくださいね。

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