igg4関連疾患の原因や症状、治療法は?

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igg4関連疾患の原因や症状、治療法は?

まぶたや耳の下が腫れたり、
膵臓や肺、腎臓などが全身の様々な臓器に
炎症が起こったりする病気がigg4関連疾患です。

かつては器官ごとに別々の病気と
考えられていましたが

2000年頃から日本で研究が進んで、
共通して「igg4」という免疫成分が
関わっていることがわかってきました。

そこで今回は、igg4関連疾患の原因や
症状、治療法についてお伝えしてまいります。

  

igg4関連疾患の原因は?

体内に病原体や異物が入ると、
免疫システムが作動して攻撃・排除します。

中でも重要な役割を担うのが、
免疫細胞の一種が作り出す
「抗体」(免疫グロブリン=Ig)と
呼ばれるY字形のたんぱく質です。。

病原体などにくっつき、
動きを封じ込めたり
攻撃の目印になったりします。

Igは5種類ありますが、
血中に最も多いのがG型(IgG)で、
IgG4はそのうちの一つです。

臓器の治りにくい腫れに関わる一方、
アレルギー物質を捕まえ、

症状を抑える働きを
することが知られています。

この病気では、血中や患部から
IgG4が多く見つかることから、

IgG4が免疫細胞を活性化し、
器官を誤って攻撃させているのでは、
という説もありますが、

原因はよくわかっていません。

新たな病気として
診断基準が作られたのは2011年で、
2016年には国の指定難病になりました。

近年、検査技術の向上で、
この病気と診断される人が急増し、

国内患者数は約3万人にも
上るとみられています。

患者の平均年齢は60歳代で、
男性が女性より2~3倍多いとされています。

●診断基準
以下を3つを満たせば確定
     ↓
1.単一または複数の臓器が腫れたり、
  組織が厚くなったりしている
2.血中のIgG4濃度が高い
 (1デシリットル当たり135ミリグラム以上)
3.病理検査の結果、リンパ球が
  多く集まるなどの特徴的な
  変化が認められる

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igg4関連疾患の症状は?

異変に気づきやすいのは、
腫れで顔立ちが替わってしまう
涙腺で唾液腺の炎症ですが、

外見上はわからないものの、
様々な内臓や血管などにも
腫れやしこりが生じます。

口の渇きや全身のだるさ、
黄疸、軽い腹痛などの
症状ができることもあります。

血中のIgG4濃度が高いなど
三つの基準を満たせば
確定診断となりますが、

がんや他の免疫の病気でも
同様の検査結果が出ることがあるため、

きちんと見分けることが
重要とされています。

例えば、この病気によって
内臓にできたしこりが、

がんと間違われて手術や
抗がん剤治療などを
受ける例も少なくありません。

がんと併発する頻度が
高いとする報告もあるため、
専門医の診断が必要といえます。

●異常が現れやすい主な器官と症状
涙腺:まぶたの腫れ、ドライアイ
唾液腺:耳の下やあごのわきの腫れ、口の乾き
肺:ぜんそく症状
胆管:黄疸
腎臓:腎機能障害
膵臓:腹痛、糖尿病
前立腺:排尿障害

igg4関連疾患の治療法は?

一般的には、免疫反応を抑える
ステロイドを服用します。

多くの患者によく効きますが、
症状が治まった後も量を減らしながら
使い続けることが再発予防に効果的です。

こうした維持療法を受けても、
患者の半数は再発します。

再発した患者のうち約3割が半年以内に、
約9割が3年以上に再発してます。

治療前にIgG4濃度が高いと
再発しやすい傾向にあります。

放おっておくと症状が進行し、
器官の機能が落ちるので、
早期の診断と治療が肝要です。

人によってはステロイドが
十分に効かなかったり、

強い副作用が心配される
糖尿病や白内障、感染症などの

患者については処方が
見送られたりすることもあります。

そんな場合は、免疫抑制剤が
選択肢に入ります。

なお、この病気は軽症なら
治療のいらないケースもあります。

日常生活では、
お酒の飲み過ぎや喫煙、不眠などを避け、

規則正しい生活を送ることが
再発予防につながります。

●日常での注意点
お酒の多飲
喫煙
ストレス
不眠
などを避ける

まとめ

いかがだったでしょうか?

難病ですが命に関わる病気ではなく、
悲観する必要はありません。

しかし、最初に発症した
器官以外にも症状が表れるほか、

がんと併発しやすいという報告もあるため、
年に1回は必ず検診に行きましょう。

感染症に気をつけ、
予防接種(生ワクチンを除く)を
受けることも大切です。

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