クリスマスにドイツは鯉を食べる?ポーランドとチェコの事情も紹介

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クリスマスにドイツは鯉を食べる?ポーランドとチェコの事情も紹介

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クリスマスの祝い方は
国によって様々ですが、

日本ではクリスマスケーキに
ローストチキンやフライドチキンなどの
鶏の料理が定番ですよね!

ですが、世界は広いもので、
クリスマス料理のメインに

鯉を食べる国があるのをご存知ですか?

そこで今回はクリスマスに
鯉の料理を食べる
お国事情についてご紹介します。

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クリスマスに鯉を食べる国 ドイツとポーランド

クリスマスに鯉を食べる
風習があるのはドイツをはじめ、

主に東部や東南部に位置する国々である
ポーランドやチェコ、
オーストリアやハンガリー
です。

これらの国々では
クリスマスシーズンになると

デパートや市場の魚売り場や屋台で
盛んに鯉を買い求める人を見かけます。

ただ、これらの国々でも
必ずしもクリスマスに食べるかというと
そうでもなく、地域によっては
クリスマス後の大晦日に食べるもあれば、

一年の中でも月の名称にRが付く月に
食べることもあったりするようです。
Januar・Februar・März・April・
September・Oktober・November,・Dezember
)

ここらへんは
牡蠣を食べてもいい月と同じですね!

鯉は日本と同じもの?

鯉の種類も日本でよく見られる真鯉とは違い、
ドイツ鯉とよばれる品種の中でも
食用に品種改良させて固定化した
『革鯉』『鏡鯉』という種類のものです。

どちらも真鯉のように
スマートなフォルムをしておらず
胴体に比べてやや頭部が小さいのが特徴です。

加えてウロコがついていると
ナイフとフォークで食べにくいため

鏡鯉は側線や背筋やヒレの付け根など
一部に残っていますが、
革鯉はウロコが全くないかもしくは
ほぼない状態になっています。

鯉の養殖は8世紀のカール大帝
勧めたことから始まっていて、

15~16世紀には修道院で
断食期間の食べ物として
重宝されていたと記録されています。

このドイツ鯉は真鯉と比べても
生育も早く繁殖力が強い上、

内臓が少ないので正味できる量も多く
食用としては最適に改良されています。

そのため、食用として明治38年
ミュンヘンの研究所から
日本へ最終的に数匹が贈られて

品種改良して生まれたのが
『ドイツ錦鯉』という品種です。

そして現在では観賞用として
ドイツに輸入されるようになっています。

こんなところでドイツと
日本の鯉が繋がっていたなんて意外ですよね。

食べ方は?

食べ方として
オーソドックスなものは

切り身にして小麦粉を
ふって多めの油で揚げ焼きして食べますが、

クリスマスに食べる料理として
Karpfen blau(カルプフェン・ブラウ)という
伝統的な食べ方をします。

Karpfenはそのものずばりドイツ鯉のことで、
blauは英語のblueと同じ青を意味します。

直訳すると『青い鯉』という名で
なぜこんな呼び方をしているかというと

材料であるドイツ鯉が元々青いからではなく、
下処理した鯉を白ワインビネガーで
マリネするからです。

これによって鯉の皮が青くなるため
Karpfen blau(青い鯉)と呼ばれるわけですね。

このあとさらに香辛料を加えて
20~30分煮て鯉に火を通せばできあがりです。

これにレモンと茹でたじゃがいもを添えて
クリスマスや年末のメインディッシュにしますが、

最近ではこの料理を作る家庭も
少なくなっているようです。

ただし、やはり伝統的な料理なので
ドイツ大使館のHPにレシピが
記載されていましたので

ご興味のある方は作ってみては?
ドイツのクリスマス・レシピ集

クリスマスに鯉を食べる国 チェコの場合

チェコの場合はドイツや
ポーランドと比べてさらに馴染みが深く

養殖も盛んに行われており、
特に有名な南ボヘミアのトシェボニュ地域では

鯉の養殖のための人工池が
無数に広がって自然の湖のように
風景に溶け込んでいます。


この養殖場は10世紀頃
始められていたと一説には言われていて
13世紀頃~16世紀にかけて
全盛期を迎えていたました。

この頃領主はコイの養殖を推進して
安定的に鯉が流通を助けていたのですが、

16世紀後半からは鯉の需要そのものが停滞し、
1618年には三十年戦争によって
流通網そのものが破壊されてしまいました。

ですが、
その後も養殖は続けられ
19世紀には戦時中のため
肉不足だったことから
貴重なタンパク源として見直され

それ以後はチェコのクリスマスには
欠かせない食材として普及しました。

10月から11月にかけてこの養殖場から
大量に収穫された鯉は
近隣の国々にも販売され、

ここから出荷された鯉は
街のあらこちに現れる屋台で
生きたまま売られます。

その場で料金を支払って
さばいてもらう人もいれば、
数日間バスタブで飼った後
自分でさばいて調理する
という人もいますが

中には生きたまま買った鯉を
食べない家もあって
そういった家ではバスタブで
数日間飼った後 池へ返します。

なぜ、こういったことをするかというと
チェコでは生命力の強い鯉は
幸運の象徴とされており、

そのウロコは1~2枚を財布に忍ばせておくと
その持ち主は1年間お金に困ることがない

といわれているためです。

食べ方はドイツやポーランドと同じく
カルプフェン・ブラウにして
食べることがありますが

やはり一般的には、
細かいパン粉にまぶして
フライにしたものにサワークリームをかけ、

茹でたじゃがいもを添えて
食べるのが定番になっています。

また、クリスマス・イヴには
スープにしたものや鯉をかたどったケーキが
縁起物して供されたりしています。

まとめ

クリスマスに鯉を食べると聞くと
ちょと意外に感じてしまうかもしれませんが、

養殖など日本とは鯉を通じて深い縁もありますので、
ご興味のある方は一度試されてはいかがでしょう?

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