脳腫瘍はなぜできる、どんな症状で治療方法は?

脳の細胞などに腫瘍ができるのが
「脳腫瘍」ですが、

腫瘍ができる場所によって
様々な種類があります。

良性であれば手術で完治できる場合が多く、
悪性の場合でも手術法の進歩によって、

脳の機能を温存しながら腫瘍を
切除できるようになってきています。

そこで今回は、脳腫瘍はなぜできるのか?

どんな症状でどのような治療方法が
あるのかについてお伝えしてまいります。

脳腫瘍はなぜできる?

脳腫瘍は、国内で年間１万人程度が
発症するとされています。

脳みそやその周囲の細胞の遺伝子が、
何らかの理由で変異することが原因です。

遺伝子の変異はほとんどが
生まれた後に起こる後天的なものですが、
原因はよく分かっていません。

主に良性である脳腫瘍には、
脳を覆う膜にできる髄膜腫、

ホルモンを分泌する
下垂体にできる下垂体腺腫、

神経を覆う細胞にできる
神経鞘腫があり、
　
いずれも脳の周りの組織にできます。　

一方で、脳内にできる悪性のもので
代表的なのが神経膠腫（グリオーマ）です。　

悪性度が最も高いものは、
膠芽腫（グリオブラストーマ）
と呼ばれています。

脳腫瘍ののうち、髄膜腫と神経膠腫が
それぞれ３割近くを占めるとされます。

肺など別の臓器にできたがんが、
脳に転移して腫瘍を作るケースもります。

●脳腫瘍の主な種類
神経膠腫（グリオーマ）
脳内にでき、ほとんどが悪性

骨髄腫
脳を覆う膜にでき、
外側から脳を圧迫する

下垂体腺腫
ホルモンを分泌する
下垂体にできる

神経鞘腫
神経を覆う
細胞にできる

種類別の割合
骨髄腫　　　27％
神経鞘腫　　27％
下垂体腺腫　18％
神経鞘腫　　11％
その他　　　18％

脳腫瘍はどんな症状?

代表的な症状は、良性か悪性かを問わず、
寝起きの頭痛です。

腫瘍があると、寝ている最中に
脳内の圧力が高まり、

朝起きたときに、強い頭痛を
感じやすくなるとされています。

頭痛だけでは、脳腫瘍か
どうかを判断できませんが、

長期間にわたって
症状が続く場合は要注意です。

歩くときにつまづきやすくなったり、
けいれん発作が起こったり
することもあります。

腫瘍ができた場所によっては、
手足のマヒや言葉がうまく出ない、

視野が欠けるなどの症状が
出るケースがあります。

良性であれば、少しずつ腫瘍が
大きくなるため、
症状も緩やかに表れます。

一方、悪性の場合は、
腫瘍が急激に大きくなることが多く、

数週間で症状が一気に
悪化することがあります。

●脳腫瘍の代表的な症状
・朝起きたときの頭痛が長期間続く
・つまづきやすくなる
・手足のマヒ

脳腫瘍の治療方法は?

脳の正常な組織や需要な神経を傷つけず、
腫瘍をできる限り切除する手術が治療の基本です。

以前は医師の技術や経験に
頼る部分が大きかったのですが、

最近では様々な手術法が開発されて、
治療成績は向上しています。

脳内はメスを入れても痛みを感じません。

「覚醒下手術」という手法では、
全身麻酔で頭蓋骨を開いた後、
患者の意識を再び回復させます。
　　　　
医師は手術中、絵を見せながら
話しかけるなどして、

脳の機能がきちんと
保たれているかを確かめながら、
慎重に腫瘍を取り除いていきます。

腫瘍が小さかったり、
摘出できない場所似合ったりする場合、

腫瘍にピンポイントで照射する
「ガンマナイフ」や

「サイバーナイフ」といった
放射線治療も有効です。

一方、悪性の神経膠腫は、
脳の中にしみ込むように広がるため、

腫瘍を完全に切除するのが難しく、
ほぼ再発してしまいます。

再発までの期間を延ばせると期待される
治療法の一つが「光線力学療法」です。

腫瘍に集まる薬を投与し、
レーザー光を当てると化学反応が起きて、

手術で取り切れなかった腫瘍を死滅させます。

一部の大学病院など導入しています。

膠芽腫に対しては、頭皮に貼った電極から
発生させる電場後か力によって、

腫瘍の細胞分裂を抑える
治療法が登場しています。

●脳腫瘍の主な治療法
■覚醒手術
患者に絵を見せて会話しながら、
脳の神経を傷つけないように手術する。
脳の機能を温存できる

■光線力学療法
レーザー光を当てると
化学反応を起こす薬を投与。
手術で取り切れなかった
腫瘍を死滅させる

■放射線治療
ガンマナイフやサイバーナイフは、
腫瘍をピンポイントで放射線を照射する
　

まとめ

いかがだったでしょうか?

脳腫瘍は比較的まれな病気ですが、
適切な予防法がなく、

腫瘍が大きくなる前に
発見することが重要になります。

起床時の頭痛が２週間以上続くなど、
典型的な症状がある場合、

脳腫瘍を疑って精密検査を
受けてくださいね。

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