新年度の年金改定内容は? 新年度の年金改定内容は?

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新年度の年金改定内容は?  

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高齢者が受給している基礎年金(国民年金)と
厚生年金は、2024年4月分から金額が
2.7%引き上げられることになりました。

増額は2年連続で、1992年度(3.3%増)以来の
高い伸びとなります。

ただ、年金財政を立て直すために
上げ幅が抑制されており、

このところの物価高に
追いつくことはできません。

そこで今回は、新年度の
年金改定内容について
お伝えしてまいります。

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新年度の年金改定内容は?

年金は毎年、4月分から金額が改定されます
(その額での支給は6月から)。

改定のしかたは
、前年の物価上昇率に応じた
「物価スライド」が基本です。

インフレで年金の実質的な価値が減ると、
高齢者の暮らしが厳しくなってしまうからです。

ただ、今回の場合、
現役世代の賃金がそれほど伸びず、
物価上昇率より低くなりました。

このような場合、年金額は物価ではなく
賃金上昇率を基準として
改定するルールになっています。

年金制度は、現役世代が賃金の中から
納める保険料で支えられています。

現役世代の賃金があまり増えないときに、
それを超える率で年金を増やすと

財政が悪化するため、
このルールが設けられています。

2023年1年間の物価上昇率は3.2%でした。

一方、賃金上昇率は
それより低い3.1%だったので、

年金は賃金上昇率を基準として
改定されることになりました。

ただし、実際に決まった年金の増額率は、
さらに低い2.7%にとどまっています。

なぜかというと、
厳しい年金財政を立て直すための

「マクロ経済スライド」という
仕組みがあるからです。

物価や賃金が上昇しても、
そこから少子高齢化の動向を反映させた

「調整率」を差し引いた率でしか
年金額を増やさないというルールです。

調整率は年度ごとに変わり、
今回は0・4%でした。

この調整率が差し引かれ、
年金額は2・7%増となったのです。

4月分からの標準的な年金額を見てみましょう。

まず、40年加入した人が受給する
満額の基礎年金(1人分)は、

月6万8000円です。

今年度より1750円増えます。

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また、夫が平均的な会社員OB、
妻がずっと専業主婦だった夫婦が

受給する厚生年金の
「モデル年金」は月23万483円です。

こちらは6001円の増となります。

いずれも金額は増えますが、
インフレには負けています。

もし、マクロ経済スライドなどの
給付抑制措置がなく、

物価上昇率と同じ3.2%の増額だったとしたら、
基礎年金は約300円、

モデル年金は約1100円、
それぞれ多いはずでした。

受給者の中には、
釈然としない人もいるかもしれません。

ただ、少子高齢化と日本経済の低迷で、
現在40歳以下の会社員世帯が
受給する給付水準は、

今の高齢世代より
約2割も下がると予想されています。

マクロ経済スライドは今から20年前、
2004年の年金改革で導入され、

本来は毎年実施されて
既に終了している予定でした。

ところが、デフレ時には
停止するルールだったため、

今回も含めてまだ5回しか実施されていません。

高齢者が受給している年金が、
当初の想定より高止まりしているためです。

●標準的な年金額(68歳以下)
基礎年金(1人分)   月6万8000円(1750円増)
厚生年金(夫婦世帯) 月23万483円(6001円増)
基礎年金は公的年金に40年加入した場合の満額。
厚生年金は厚労省試算の「モデル年金」で、
2人分の基礎年金を含む。
生年月日により金額が異なる場合がある

まとめ

いかがだったでしょうか?

厚生労働省は、マクロ経済スライドを
あと20年以上続けないと、
年金財政が安定しないと試算しています。

今の現役世代のために、
やむを得ない措置といえるでしょう。

関連記事:年金の物価スライドとは?
     年金の給付水準や給付額、モデル世帯のイメージは?



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