子供の白血病の割合や症状、検査の方法や治療法は?
競泳女子の池江璃花子選手が、
白血病であることを公表したことで
白血病への関心が集まっています。
白血病は子供のがんの約4割を占め、
かつては不治の病という
イメージも強かった病気ですが、
治療の進歩で完治も見込めるように
なりつつあります。
そこで今回は、
子供の白血病の割合や症状、
検査方法や治療法について
お伝えしてまいります。
子供の白血病の割合や症状は?
白血病は、骨髄で癌化した
血液細胞(白血病細胞)が増殖し、
正常な血液細胞が作れなくなる病気です。
週~月単位で症状が早く進む「急性」と、
年単位でゆっくり進行する「慢性」があり、
さらに細胞のタイプで「リンパ性」と
「骨髄性」に分かれます。
国立がん研究センターのホームページによると、
0~15歳未満の子供の場合、
急性リンパ性(約70%)と
急性骨髄性(約25%)が9割以上を占め、
慢性の割合はわずかです。
別の研究チームのデータでは、
15~29歳でも急性リンパ性(約40%)、
急性骨髄性(約30%)の二つが多く、
全体の7割を占めています。
急性リンパ性は、2~5歳の発症が多く、
国内の子供の患者数は約500人、
急性骨髄性も幼児を中心に
年約180人とされています。
白血細胞が増殖することで、
外敵から身を守る「白血球」や、
酸素を運ぶ「赤血球」、
出血を止める「血小板」などの
正常な血液細胞が作れなくなります。
その結果、発熱や貧血、出血のほか、
体がだるく感じるなどの症状が出ます。
●白血病の割合と症状
割合
急性リンパ性 約70%
急性骨髄性 約25%
慢性、その他 約5%
症状 発熱、出血、貧血
子供の白血病の検査方法や治療法は?
まず血液検査と骨髄検査で診断をします。
血液検査では、白血球や
赤血球などの増減を調べます。
骨髄検査では、腰の骨に
ハリを刺して骨髄液を取り、
病気のタイプを見ます。
成人でも同様に行いますが、
子供では痛くないよう
全身麻酔をして検査します。
急性の場合、複数の抗がん剤を
組み合わせて投与する
化学療法が、治療の基本になります。
慢性を場合は、がんだけ狙い撃ちする
「グリベック」などの分子標的薬が
有効とされています。
化学療法の効果が十分でない時や、
再発した時などには、
造血幹細胞移植を検討します。
血液細胞の元となる造血幹細胞を
健康なドナー(提供者)の骨髄などから採取し、
患者に点滴で注射する治療法です。
ドナーは、患者と白血球の型(HLA)が
一致することが基本ですが、
HLAが半分だけ一致したドナーから
安全に移植する方法も開発されつつあります。
今後の治療法としては、
抗がん剤の組み合わせなどは長年の研究で、
効果の高い方法が見つかっています。
その結果、子供の急性リンパ性白血病の
5年生存率は8~9割とされます。
さらに注目を集めている治療法もあります。
患者の体から取り出した
免疫細胞(T細胞)の遺伝子を改変し、
がんへの攻撃力を高めた上で体に戻す
「CARーT(カーティー)細胞治療」です。
抗がん剤の効果が十分でなかったり、
再発したりして他の治療法がない
患者などを対象に、
米国では急性リンパ性白血病などの
治療ですでに承認されています。
国内でも承認に向けた手続きが進んでおり、
今後、治療の選択肢が増えると期待されています。
●主な検査法
血液検査
白血球、赤血球、血小板などの数を確認
骨髄検査
腰の骨にハリを刺して骨髄液を取り、
美容機のタイプを確認
●治療法
化学療法(抗癌剤治療)
主に急性白血美容が対象。
複数の薬を組み合わせて使う
分子標的治療
主に慢性白血病が対象。
がん細胞だけを狙い撃ちにする薬を投与する
造血幹細胞移植
化学療法で効果が不十分な場合などに、
ドナーから提供を受けた造血細胞を移植する
遺伝子治療(CAR-T細胞治療)
免疫細胞(T細胞)を遺伝操作し、
がんへの攻撃力を高める
まとめ
いかがだったでしょうか?
子供の顔色が悪かったり、
発熱が長引いたりする時は、
医療機関を受診して
血液検査を受けましょう。
個人差はありますが、
標準的な化学療法に要する期間は、
急性リンパ性は外来治療を含めて2年~2年半、
急性骨髄性は半年~1年です。
適切な治療を受ければ、
子供の白血病は治せる時代に
なってきていますので、
主治医の説明を聞いて
病気についてよく理解し、
落ち着いて治療に臨んでくださいね。
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