介護施設の補足給付が8月から見直しされる、その費用や負担額は? 介護施設の補足給付が8月から見直しされる、その費用や負担額は?

保険 生活

介護施設の補足給付が8月から見直しされる、その費用や負担額は?

スポンサードリンク

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの
施設で暮らす高齢者の食費や部屋代は、

「補足給付」という公的補助の仕組みがあって、
自己負担の上限が世帯収入などで変わります。

この基準が8月に変わり、
一部は負担増になります。

そこで今回は、8月から見直しされる
介護施設の補足給付のその費用や
負担額についてお伝えしてまいります。

スポンサードリンク
  

介護施設の補足給付が8月から見直しされる、その費用や負担額は?

施設に入居する高齢者の部屋代や食費は、
介護保険サービスの利用料(原則1割負担)
とは別に必要です。

8月以降の負担額の上限は
下記の表のように決まります。

例えば、一人暮らしの女性(70)の
前年の収入が年金(100万円)のみで、

住民税は非課税、預貯金や有価証券などの
保有額が計300万円なら第3段階 1.です。

部屋代(ユニット型個室)は1日あたり1310円、
食費は同650円となります。

この女性の年金収入が120万円超だと、
今回の基準の見直しで作られた
第3段階 2.となり、食費は同1360円です。

月2万円超の負担増になる計算です。

このほか、第2段階~第3段階 2.は、
預貯金や有価証券など資産の基準が、

7月までの「単身1000万円、夫婦2000万円」
より厳しくなりました。

一定以上の保有資産があれば、
年金生活で収入は少なくても第4段階となります。

補足給付はなく、国の定める基準で、
部屋代(ユニット型個室)は1日あたり2006円、

食費は同1445円と自己負担額は最も高くなります。

高齢化が進む中で、
介護保険財政の安定を図るために、

それぞれの所得、資産に応じて
負担をしてほしいという国の意図があります。

条件を少し変えて、サラリーマンで
住民税が課税されている息子夫婦と

同じ家に暮らしている女性(70)が
介護施設に入ることになった
ケースで考えてみましょう。

世帯に住民税が課税されている人がいれば、
本人の収入や預貯金など

そのほかの条件を満たしていても、
第4段階になります。

表にあるように、
第2段階~第3段階 2.はいずれも、
「世帯全員が住民税非課税」
条件に含まれているためです。

ただ、この場合は、
一つの住民票に登録されている世帯を分ける
「世帯分離」という方法もあります。

住民税が非課税の高齢女性と、
課税されている息子夫婦を別の世帯とすることで、

自己負担が小さい区分の条件を満たす、
というものです。

世帯とは、同居する家族などの集まりで、
一つの住民票にまとまっています。

市区町村の窓口で「世帯変更届」を提出し、
住民票を分けるのが世帯分離です。

ただ、あくまで生活実態に合わせることが、
この手続きの趣旨です。

離婚調停中などを除き、
原則、同居している夫婦間の世帯分離はできません。

夫婦以外のケースでも、窓口で詳しい理由や
生活実態を尋ねる場合があります。

例えば、玄関や台所が
別々の2世帯住宅で暮らしており、

生活実態も生計も別という場合なら、
世帯分離が問題なく認められ可能性が高いです。

スポンサードリンク

●8月以降の介護保険施設の部屋代・食費の自己負担額
           対象者の条件          部屋代(1日あたり) 食費
       収入など   預貯金などの上限  多床室  ユニット型個室  
第1段階 本人が老齢福祉年金   単身1000万円    なし    820円 300円
     または生活保護を受給  夫婦2000万円

第2段階 年金収入など      単身650万円     370円  820円 390円
     80万円以下       夫婦1650万円
 
第3段階
1.   80万円超        単身550万円    370円 1310円 650円
    120万円以下       夫婦1550万円
2.   120万円超        単身500万円               1360円
                 夫婦1500万円               ↑月2万円
                                     超の負担額
第4段階   第1~第3段階に当てはまらない  特養 855円 2006円  1445円
                      その他 377円

※第2段階~第3段階は世帯全員が住民税非課税
※第4段階は、国の示す基準額。実際の負担額は利用者と施設の契約で決まる

  
  

●2世帯住宅の親子の「世帯分離」
世帯を分ける
・「世帯変更届」を提出する
・生計が別など、生活実態に合っている必要がある
   
    
世帯分離でデメリットが
生じるケースにも注意しましょう。

介護にかかった費用が
上限額を超えた分、払い戻しを受けられる
「高額介護サービス費」という仕組みは、

同じ世帯に2人以上の介護サービス利用者がいる場合、
費用を合算できます。

例えば、いずれも住民税非課税の
息子(65)と母(90)の世帯の場合、

1ヶ月の自己負担の上限(1万5000円または2万46000円)
2人の合計なら超えますが、

世帯の分離によってそれぞれが上限に届かず、
払い戻しがなくなり、

結果的に負担が増える可能性があります。

また、世帯分離すると、
住民票の写しなどを取得する際に

委任状が必要になるなど、
手間がかかることも増えます。

こうした点も理解して
慎重に検討する必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

お伝えしたように、
「世帯」を見直すことで金額が
抑えられる場合もありますので、

生活形態に合わせて
ご検討してみてくださいね。

関連記事:介護施設のショートステイとは?利用の仕方や流れ、気をつけることは?
     介護施設の種類や特徵、違いとは?



-保険, 生活
-,