カレーのウェルシュ菌は殺菌しにくい?その仕組と保存や予防対策は?
本科的な夏の到来を前に、
各自治体が加熱しても殺菌しにくい
「ウェルシュ菌」食中毒への
注意をよびかけています。
作りおきしたカレーなどの
煮物が原因となることがあり、
2016年には全国で約1400が発症しています。
そこで今回はこのウェルシュ菌による
食中毒についてお伝えしてまいります。
カレーのウェルシュ菌は殺菌に強い?その仕組は?
リーガロイヤルホテルのレストランでは2017年5月に
昼食をとった利用客25人が下痢や腹痛などの症状を訴え、
患者からウェルシュ菌が検出されました。
大阪市は提供メニューのうち、
かれーなど作りおきの煮物料理が
感染源の可能性が高いとみられています。
3日間の営業停止を受けた同レストランは、
料理の作りおきの中止や温度管理の徹底などの
再発防止策をとったということです。
担当者は
「うまみを出すなどの目的で作り置きすることがあった。
ちょうりご、速やかに提供するよう徹底する」
引用:読売新聞2017年7月6日
と話しています。
夏場は気温、湿度が高く、
他の季節異常に食べ物への注意が必要です。
ウェルシュ菌は肉魚、
野菜などに広く付着しています。
加熱処理さえすれば
「安心」と考えがちですが、
この菌は加熱しても一部は残存します。
カレーやシチューのようにとろみがあり、
空気が通りにくい料理だと特に増えます。
しかも食材の温度が45度程度まで下がると
急激に増殖する特徴があり、
いったん増殖すると死滅させるのは
きわめて困難になります。
100度で6時間加熱して、
それでも殺菌できなかったという報告もあります。
●ウェルシュ菌食中毒の仕組み
肉や野菜 ←菌
ウェルシュ菌が付着
↓
加熱調理
菌の一部が残る
↓
常温保存
菌が増殖
↓
再加熱
加熱が不十分だと菌が残る
↓
摂取
食中毒
カレーのウェルシュ菌を防ぐ保存や予防対策は?
では、どのような保存や
予防対策を取ればよいのでしょう?
●ウエルシュ菌の予防対策
1.調理後はすぐに食べきる
2.保存する時は、できるだけ速やかに
15度以下に冷蔵する
3.再加熱をする際は長時間よく混ぜる
以上の3点になります。
厚生労働省の統計では、
ウェルシュ菌による食中毒は過去10年間で、
およそ500~2800人で推移していて
2016年は前年の2.6倍の1411人に急増しています。
原因物質別では、ノロウイルス、
カンピロバクターの次に発生しています、
特に7月は大量発生が頻繁する『要注意』月で、
1980年には埼玉県久喜市で
小中学校の給食が原因で生徒ら3610人、
2012年には山梨県富士河口湖町のホテルでは
宿泊客の高校生126人がそれぞれ集団で発症しています。
まとめ
梅雨や夏は1年の中で
最も菌が増えやすいので、
料理は常温保存せず、
すみやかな冷蔵を心がけて
食中毒を防ぎたいものですね。
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