認知症でも買いを楽しみ続けるには?

認知症で苦手なことがあっても、
買い物をする楽しみを持ち続けたい――。

スマートフォンのアプリの活用や、
周囲の適切ななサポート、

小売店の対応を見直すことなどによって、
少しずつ、そんな思いが実現しつつあります。

そこで今回は、認知症でも
買いを楽しみ続ける方法について
お伝えしてまいります。

認知症でも買いを楽しみ続けるには?

買い物支援アプリ「KAERU」は、
スマホのいち情報と連動し、

目的地のスーパーに近づくと、
買おうと思って事前に登録した
商品のメモが自動で通知されます。

実際に買った物の写真をスマホで撮影し、
記憶しておくことで、

何を買ったのかを後で確認できる機能もあり、
現在は無料で利用可能です。

メモを通知する機能は、
紙のメモだと、店に着いた時には
書いたことを忘れて、

何も買わずに変えることがあるという声を
聞いたことから生まれました。

開発にあたっては、
認知症の人や家族、専門職ら
約150人に聞き取りをしたということです。

このアプリと連動して、
お金の管理をサポートする
カードも発行しています。

チャージした金額の範囲内で、
買い物ができるプリペイドカードで、

スーパーやコンビニなど、
クレジットカード(マスターカード)で
支払える場所で使えます。

1日に使える金額を「3000円」
などと設定することで、
使いすぎを防止できます。

使った分は、翌日に自動でチャージされます。

家族がアプリを使って代理で
チャージすることや、

いつ、どこで、いくら利用したかを
把握して見守ることが可能です。

カードをなくした場合、
遠隔操作で利用を止める機能もあります。

カードでの支払いに慣れる必要はありますが、
金銭管理の不安を解消できます。

1人での買い物に不安がある場合は、
同行サービスの利用を検討しましょう。

介護保険では、ヘルパーに買い物に
同行してもらうことが可能です。

日常生活で必要なものを買う場合に
限られるなど一定の成約はありますが、
原則１割の自己負担で利用できます。

介護保険を利用していない場合や、
自由な買い物を楽しみたい人は、

自費サービスやボランティアによる
買い物同行を探して活用する方法があります。

スーパーへ買い物に行った時、
支払いが必要なことを忘れるなどして
そのまま外に出てしまう――。

認知症の症状により
そのような状況になることがあります。

店側が「万引き」とみなして、
警察への通報に至るケースもありますが、

それを「未払い行動」と呼ぶなどして、
社会に理解を求めていく活動が始まっています。

●「未払い行動」にどう対応する?
支払いをせず、店をでしてまう...
↓
認知症が影響している可能性

求められる対応の例
小売店
・穏やかに声をかけ、レジに誘導
・家族や地域包括支援せンターに相談
・安心して買い物ができる環境づくり

本人・家族
・いつでも周囲に助けを求められるように、
「ヘルプカード」を持つ
・アプリなども活用してサポート。
周囲が買い物の機会を奪わない

認知症の方に、周囲が
お財布を持たせないようにしたり、

買い物に行くのを
制限したりするケースもあります。

でも、好きなものを買う「楽しみ」や、
買い物というその人の「役割」を
奪ってしまうことは問題です。

同じものを買って着てしまうことや、
たくさん買いすぎることで、

家族に困っているのですが、
それでも、家族や支援者が
何でも代わりにやるのではなく、

できることは自分で
やってもらうことが大切です。

できることをなくしていけば、
認知症の症状は進みやすくなり、

反対にやりがいや生きる目的がある人は、
進行が緩やかになるといいます。

人は、不安が大きくなると、
ふだんはできることが
できなくなる場合があります。

多少の失敗が許され、
安心して買い物をできる環境を
整えることが必要です。

お店の人たちに「未払い行動」を理解してもらい
せかされることはなくゆっくり会計ができる
「スローレジ」も広げていきましょう。

売り場の表示を、
誰にでもわかりやすいものにすることも大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

自分で食べたい物を選んで買うことは、
高齢者の生きる力につながますし、

認知症の人がくらしやすい社会は、
どんな人にとっても暮らしやすい社会です。

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