パーキンソン病とはどんな病気?その診断基準や治療法は?

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パーキンソン病とはどんな病気?その診断基準や治療法は?

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パーキンソン病は、
脳の神経細胞に異常が生じ、

歩行障害や便秘、睡眠障害など
様々な症状が出る難病です。

薬物治療で進行を遅らせることができ、
2018年に早期発見・治療がしやすい形に
診断基準が見直されました。

気になる症状があれば
脳神経内科を受診することが大切です。

そこで今回は、パーキンソン病とは
どんな病気でその診断基準や

治療法はどのようなものかについて
お伝えしてまいります。

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パーキンソン病とはどんな病気?

10万人あたり100~150人が発症します。

50歳頃から増え始め、
発症のピークは80歳以上です。

患者数は16万人に上り、
高齢化に伴い、

今後さらに増えことが予想されます。

脳の神経細胞に異常なタンパク質
「αシヌクレイン」が蓄積することが
病気の原因とされます。

動作が遅くなったり手足が
こわばったりする運動症状が代表的ですが、

運動生じようが表れる
10年以上前から兆候は出始めています。
 
αシヌクレインはまず消化器や
嗅覚に関わる神経などに蓄積します。

それによって便秘や嗅覚の低下、
寝ている時に手足の激しい動きや

寝言が出る睡眠障害、
うつなどを起こします。

さらに、中脳の「黒質」にたまると、
神経細胞が壊され、

運動を調節する神経伝達物質
ドーパミンが不足し、
運動症状が出ます。

症状には、ありふれたものも多く、
老化と思い込んで発見が遅れがちです。

●パーキンソン病の発症の経過
運動症状
発症前
変化なし

運動症状以外の症状
嗅覚低下、便秘、
睡眠障害、鬱 

早期
動作が鈍くなる、
静止時のふるえ、
筋肉のこわばり

運動症状以外の症状
不安症状
 
進行期
姿勢保持・歩行障害、
体が勝手に動く

運動症状以外の症状
幻覚、妄想、認知症、
排尿障害 

パーキンソン病の診断基準は?

早期の患者を確実に
診断することを重視し、

日本神経学会は2018年、
診療ガイドラインを改定しました。

1.動作が鈍くなる
2.静止時に手足がふるえる
3.筋肉がこわばる

の三つの運動症状のうち、

1.に加えて、2.と3.の両方または
片方に当てはまることを
パーキンソン病と定義しています。

1.には、声が小さくなる、
歩くのが遅くなる、
足が出にくい「すくみ足」などがあります。

2.は、じっとしている時に片側の手が
1秒間に5回程度ふるえるなどが特徴的です。

3.では、手足の動きがぎこちない、
無表情、肩や腰が痛むなど挙げられます。

以前の基準には、バランスを崩して
転びやすくなる姿勢保持障害が
含まれていましたが、

病気が進んでから現れるため
除外されました。

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●パーキンソン病の最新の診断基準
1.動作が鈍くなる 必須
2.静止時に手足がふるえる
3.筋肉がこわばる
※3つの運動症状の必須+2.3.両方
またはどちらかに一つに該当

パーキンソン病の治療法は?

根治は困難ですが、治療症状を抑え、
生活の質を改善できます。
   
なるべく早くドーパミンを補う
薬物療法を始めることが大切です。

運動症状への即効性が高いのは
「レボドパ製剤」です。

服薬が長期化すると意思に反して
体が動く運動合併症が出たり、
薬が効かない時間帯ができたりします。

胃ろうでの投与は持続的な効果が期待できます。

神経伝達の活動を促す
「ドーパミンアゴニスト」は、

レボドパ製剤に比べて
運動合併症が出にくく、

最近はゆっくり溶ける飲み薬や
効果が長続きする貼り薬も出ています。

また、他の薬物療法では、
脳内のドーパミン分解を抑える
「MAO-B阻害薬」、

ふるえに効く抗てんかん薬なども使われます。

薬で十分改善しなくなると
手術などが検討されます。

脳深部刺激療法は、
脳の特定の部位を電気で刺激します。

電極や刺激差うちを体内に
植え込む手術が必要です。

2020年の9月に保険適用された
集束超音波治療は、
狙った脳の部分を超音波で加熱して焼きます。

治療前に髪の毛をそり、
位置を固定する器具を

頭にピンでとめる処置が必要ですが、
頭を切開せずにすみます。

●多様化する治療法
主な薬
レボドパ製剤
ドーパミンアゴニスト
MAO-B阻害薬

使い方
・飲み薬
・貼り薬 
・胃ろう

脳深部刺激療法
電極の付いたリードを植え込み、
運動症状を起こす脳の部位に
電気刺激を与える

集束超音波治療
超音波のエネルギーを、
運動症状を引き起こす
脳の部位に集中させ、
加熱して焼く
 

まとめ

いかがだったでしょうか?

治療法の進歩で、
パーキンソン病と診断されても、

病気とうまく付き合い、
長生きすることが可能です。

運動症状が出る前の症状を
知っておくことが
早期発見・治療につながります。

進行に伴い、症状は変わるため、
主治医と相談して、
最適な治療法を選びましょう。

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