多嚢胞性卵巣症候群とはなに、その原因や診断と検査、治療の方法は? 多嚢胞性卵巣症候群とはなに、その原因や診断と検査、治療の方法は?

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多嚢胞性卵巣症候群とはなに、その原因や診断と検査、治療の方法は?

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月経の異常゛ある人の中には、
排卵がスムーズに起こらない

「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」
を抱える人が多くいます。

出産可能な年齢の女性の5%~8%とされ、
不妊の原因にもなります。

放置せずに治療するのが大事で、
2022年4月から不妊治療に

公的医療保険が適用されるのにあわせて
使える薬も増える見込みです。

そこで今回は、多嚢胞性卵巣症候群とは
どのような病気で、

その原因や診断と検査、
治療の方法についてお伝えしてまいります。

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多嚢胞性卵巣症候群とはどのような病気でその原因は?

子宮の両脇にある卵巣では通常、
約1ヶ月の月経周期ごとに数個の卵胞が発育し、
そのうちの1個が成熟して排卵されます。

この排卵に至らない未成熟な卵胞が
たくさん卵巣内にとどまっている状態がPCOSで、

無月経や、月経がたまにしか来ない稀発月経、
不妊の代表的な要因の一つとなります。

初経の頃から月経周期に
異常がある患者さんが多いようです。

原因ははっきり分かりきっていませんが、
男性ホルモンが多く作られることが
PCOSと関係があるとされています。

男性ホルモンの影響で体毛が濃い、
にきびができやすいといった
症状を伴うこともあります。

●病気の仕組み
正常な排卵
大きく育った卵胞から排卵する

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多数の卵胞が小さいまま並ぶ(=ネックレスサイン)
排卵しにくい

多嚢胞性卵巣症候群の診断と検査は?

診断には、卵巣の超音波検査が用いられます。

卵胞は通常、2センチ近くまで
育って排卵しますが、

PCOSでは1センチに満たない
多数の卵胞が並んで見え、
「ネックレスサイン」と言われます。

血液検査では、血中の男性ホルモンの
数値などを調べます。

治療を始める前に、
肥満の人はまず減量が必要です。

体重(キロ・グラム)を身長(メートル)で
2回割ったBMI(体格指数)が

25以上になる人が目安で、
減量だけで改善されることもあります。

●診断の基準
・無月経など月経の異常がある
・超音波検査でネックレスサインが見える
・血液検査で男性ホルモン値が高いなど

多嚢胞性卵巣症候群の治療方法は?

妊娠を希望する場合は、
排卵誘発剤を服用することが基本です。

月経の5日目から1日1錠、
5日間服用し、超音波で卵胞が
育っているかを確認します。
 
排卵誘発剤の量を増やすこともありますが、
この治療で7割ほどの人が
排卵できるようになります。

現在、標準的に使われている
クロミフェンクエン酸塩(クロミッド)
という薬に加えて、

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4月からは、乳ガン治療に使われている
レトロゾールも保険適用となる見込みです。

クロミッドが聞きにくい人も、
この薬で改善する可能性もあります。

それでも排卵、妊娠しない場合は
注射で排卵を促します。

排卵までの10~14日間ほど毎日注射が必要ですが、
自己注射で通院回数を減らすことも可能です。

駐車する薬の量のさじ加減が難しく、
複数排卵して多胎妊娠になったり、

卵巣が腫れたりするリスクがあるため、
専門医に治療を受けるのが良いでしょう。

このほかに、腹腔鏡手術で
卵巣の表面の膜に穴を開けて、

自然排卵や薬の効果の向上を
期待する方法もあります。

PCOS治療と並行して、
卵管や男性の精液に問題がないかの
検査もすすめることが望ましいでしょう。

妊娠を希望しなくても、
ホルモンのバランスを整え、
周期的に月経を起こすことは重要です。

PCOSでバランスが崩れた状態が続くと、
子宮内膜にできる子宮体がんの
リスクが高くなるためです。

薬でホルモンを補充し、
子宮内膜がはがれ落ちる
(月経を起こす)ようにします。

肥満かどうかにかかわらず、
PCOSの患者は、メタボリック症候群や

心血管疾患、脂肪肝などに
なりやすいと指摘されています。

リスクを認識し、予防に力を
入れていくことが大切になります。

●治療の主な流れ(妊娠希望の場合)
      肥満
   なし    あり
   ↓      ↓
   ↓    減量・運動
   ↓      ↓
   排卵誘発剤を服用
(4月から公的医療保険で使える薬が増える見込み)
       ↓
     排卵・妊娠せず
   ↓        ↓
注射で排卵を促す→腹腔鏡手術   
            ↓
          排卵誘発剤を服用

※排卵・妊娠しない場合は体外受精を検討
 

まとめ

いかがだったでしょうか?

PCOSは、様々な病気の
きっかけになる可能性があるので、

産婦人科で長期的に
管理してもらうのが一番です。

月経不順の悩みを持つ人は多いので、
少しでも心配なことがあれば
早めに受診してくださいね。

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