ホルモン補充治療とはどんな治療法、そのリスクや注意点は?

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ホルモン補充治療とはどんな治療法、そのリスクや注意点は?

子宮がんで卵巣を摘出したあと、
ほてりや発汗、不眠などの
不調で悩む人は多くいますが、

そのような症状の改善が
期待できるのがホルモン充填療法です。

そこで今回は、
ホルモン充填療法のとはどんな治療法なのか、

また、その治療のリスクや注意点について
お伝えしてまいります。

  

ホルモン補充治療とはどんな治療法?

ホルモン補充療法は、卵巣が分泌する
女性ホルモンのエストロゲンを薬で補うもので、
更年期障害の治療として知られています。

卵巣を摘出したために更年期障害と
同じ状態になった患者にも効果があります。

ただ、医師からその選択肢を
示されないこともあり、

ホルモン充填療法を
知らされていない患者も多くいます。

そのため、根拠のない
高額な民間療法に走ってしまう人もいます。

●卵巣摘出にによる心身の主な影響
ほてり、のぼせ、発汗
不安、イライラ、不眠、抑うつ
関節痛、こわばり
耳鳴り、めまい
皮膚のかゆみ

●長期的には
・骨粗しょう症、骨折
・認知機能の低下
・脂質異常症、動脈硬化

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ホルモン補充治療のリスクや注意点は?

がん患者の場合、再発の心配から、
この治療法を避ける医師が多くいます。

子宮がん(子宮内幕がん)や
卵巣がんの多くは

エストロゲンにより進行するため、
子宮頸がんの一部にも
その可能性があるためです。

そもそもホルン補充療法は
乳がんなどのリスクを上げる、

という研究報告が2002年に、
米国で出たことも安全性への疑念を広げています。

ただ、この研究は調査対象などに問題があり、
最近になって、リスクを上げるといっても、

再発リスクは上がらないとの研究結果も
この5年で相次いで報告されています。

ホルモンの補充が、むしろ長期的な
健康維持に役立つこともわかってきて、

エストロゲンは骨を丈夫にし、
血管の柔軟性や代謝、精神の安定を保ちます。

卵巣を失って早く閉経した女性は
骨粗しょう症や脂質異常症になりやすいのですが、
薬でエストロゲンを補えば予防できます。

日本産科婦人科学会と
日本女性医学学会は2017年に
ホルモン補充療法の診療指針を改定し、

婦人科がんの治療をした患者にも
勧めることを明記しました。

ただし、薬の説明書である添付文書では、
現在、子宮体がんのある患者らは「禁忌」扱いで、
治療に精通した医師の診断が重要になります。

●ホルモン充填療法
(HRT=Hormone Repiacement Therapy)

どんな治療法?
・エストロゲンを薬で補う
・飲み薬、貼り薬、塗り薬がある
・子宮のある女性は黄体ホルモンも併用

目的は?
・今の不調を改善
・長期的な健康維持

婦人科がん再発の危険は?
・「高めない」との研究結果が蓄積されている
・治療後患者に推奨

まとめ

いかがだったでしょうか?

症状の改善のためには、
患者自らが情報収集することも大切です。

ホルモン補充療法に詳しい医師を調べるには、
日本女性医学界のサイトにある、
「女性ヘルスケア専門医」のリストが役立ちます。

NPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」は、
毎週火、木曜日に電話相談を窓口を開設しており、
専用電話:03-3351-8001

最新の医学情報やカウンセリングを学んだ
相談員が対応しています。

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