授乳期の乳腺炎の原因や対処の方法、治療の手段は?
乳房に痛みが出る乳腺炎は、
母乳で子育てをする女性の
3~5人に1人が経験するとされ、
母乳の詰まりが原因で、
放置すると重症化する恐れもあります。
そこで今回は、
授乳期の乳腺炎の原因や対処法、
治療の手段について
お伝えしてまいります。
授乳期の乳腺炎の原因や対処の方法、治療の手段は?
乳腺は乳頭(乳首)から
放射線状に広がる組織で、
母乳を作る「小葉」と、
母乳の通り道となる「乳管」に分かれています。
赤ちゃんが乳頭に吸い付くと
母親の脳が刺激され、
母乳を作るのに関わる2種類の
ホルモンの分泌が盛んになります。
乳腺は疲れたり、
脱水気味だったりすると起きやすく、
母乳が乳腺に詰まると
乳房が赤く腫れて痛んで硬くなり、
「非感染症(うっ滞性)」と
呼ばれる初期段階になります。
放おって乳頭から
乳頭から入った細菌が増え、
「感染症(可能性)」に進行します。
高熱が出て頭痛や関節痛などの症状が
起こした部分に膿がたまってしこりができます。
●母乳が出る仕組み
1.赤ちゃんが吸い付き母親の脳を刺激する
↓
2.母乳分泌を促すホルモンがたくさん出る
↓
3.乳腺で母乳が作られる
対処法としては詰まりを除き、
たまった母乳を外に出すことが基本です。
痛みが少ないなら授乳を続け、
飲み残しは搾り、抗菌薬や
痛み止めを使う場合もあります。
助産師によるマッサージも有効です。
乳房の感覚や表面の色から
詰まった場所を特定し、
母乳が流れるようにもむ方法で、
主に産院の母乳外来で行っています
重症化や再発を防ぐため、
1.こまめに授乳する
2.左右バランスよく飲ませる
3.いろいろ抱き方で授乳する
といった指導をしていて、
1回2000~5000円程度の費用がかかります。
2018年に診療報酬で
「乳腺炎重症化予防ケア・指導科」が新設され、
一部の産院で保険が利くようになりました。
専門の技術や知識を
持つ助産師がいるなどの
条件を満たした産院でケアを受けると、
1回の出産で4回まで保険が適用されます。
保険が利くかどうかは
産院の院内に掲示されています。
薬の処方などには別途、
医療費がかかります。
産後のお母さんは体調が悪くても
自分のことは後回しにしがちですが、
乳腺炎を疑う症状が出たら1人で頑張らずに、
助産師に相談するようにしてください。
重症の場合は、乳腺外科医や
乳房の検査ができる産婦人科医が対応し、
皮膚に雌を入れて、
膿やしこりを取り除く手術を行います。
乳腺炎と思っていたら、
乳がんだったというケースもありますので、
授乳やマッサージをしても
消えないしこりがあれば、
詳しい検査を受けてください。
●授乳中の乳腺炎
非感染症(うっ滞性)
母乳が乳腺に詰まる
症状
・乳房に腫れや赤み、
痛みが出る
・乳房が硬くなる
・発熱する
感染症(化膿性)
乳頭から細菌が入り
乳腺で増殖する
皮膚を切り、
膿やしこりを出す
処置が必要なことも
症状
・全身に痛みが出たり、
だるくなったりする
・高熱が出る
・膿が出たり、
しこりができたりする
●乳腺炎になったら
・詰まった母乳を出す
・十分に休養を取り
水分摂取する
・授乳方法を見直す
・必要に応じて抗菌薬や
痛み止めの薬を使う
まとめ
いかがだったでしょうか?
お伝えしたように、
一部の治療には保険も利きますので、
授乳やマッサージをしても
消えないしこりがあれば、
詳しい検査を受け、子育てなどの
悩みも聞いてもらうとよいですよ。
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