適切な住宅ローンとその額は?
建築費の高騰や低金利の影響を受けて、
首都圏を中心にマンション価格が上昇しています。
これから購入を検討している人は、
無理のない資金計画を立てて、
借りすぎを避けたいところです。
そこで今回は、適切な住宅ローンと
その額についてお伝えしてまいります。
適切な住宅ローンとその額は?
不動産経済研究所によると、
2021年度の首都圏の新築マンションの
平均価格は6360万円で、
バブル期の1990年度(6214万円)を超えて
過去最高となりました。
ウクライナ侵略や円安で資材価格が
上昇していることに加えて、
歴史的な低金利で住宅ローンが借りやすくなり、
需要が増えていることが背景にあります。
ただ、住宅ローンを借りられることと
返せることは同じではありませんので
借りすぎリスクを認識してください。
モデルルームなどでは、
利益率の低い変動金利で、
返済期間を目いっぱい使った場合の
借り入れプランを示されることが多いです。
例えば、6000万円を変動金利0.5%、
返済期間35年で借りた場合、
毎月返済額は15万6000円で、
35歳で借りて金利が変わらなかったとすると、
60歳の定年退職時に
1823万円のローンが残ることになります。
金利が上振れすれば、
ローン残高はさらに増えます。
退職金で支払いが終わらなければ、
公的年金をローン返済にあてる
厳しい老後になります。
1.65歳で完済する
2.全期間か10年以上の固定金利を選ぶ
3.借入額はローン返済期間も貯蓄できる程度にする
の3点を基本に資金計画を立てるよう勧めます。
これに従い、35歳で6000万円を
30年固定金利1.5%で借りれば、
月々の返済額は20万7000円になります。
この金額を負担と感じるようであれば、
6000万円のローンは借りすぎと言えます。
●住宅ローンの適切な借入額の求め方
1.適切な毎月の返済額を求める
現在の年間家賃 ローン返済以外の年間住居費
+ - + =年間返済額の目安
現在の年間貯蓄額 購入後の年間貯蓄額
(ボーナス込み)
年間返済額の目安÷12=毎月返済額の目安
2.住宅ローンシミュレーションに入力する
毎月返済額 1で求めた額
金利 固定金利 >借り入れ可能額
返済期間 「65歳-返済開始年齢」
↓
借り入れ可能額に、用意できる頭金を足せば
購入できる物件価格の目安が出せる
適切な借入額はどう求めたらよいのでしょうか。
35歳で、月額家賃が13万円の賃貸住宅に
住んでいる人をモデルに計算してみましょう。
まず、現在の年間家賃156万円(13万円✕12ヶ月)と
現在の年間貯蓄額を足します。
仮に100万円とすると、
計256万円になります。
この額から、ローン返済以外の住居費と
購入後の年間貯蓄額を引きます。
住居費は管理費や
修繕積立金などで50万円、
貯蓄は70万円と想定します。
減収など不測の事態に備えて
ローン返済中も貯蓄は続け、
共働きなら70万~100万円が理想です。
差し引きすると136万円となり、
これが年間返済額の目安です。
12で割った11万3000円が
適切な毎月返済額となります。
現状の賃貸住宅の家賃より低い額ですが、
修繕積立は上がっていくのが普通で、
厳しめに見積もった方がよいでしょう。
後は、金融機関のホームページなどにある
住宅ローンシミュレーションを利用します。
毎月の返済額を入力し、
返済期間30年、固定金利1.5%で計算すると、
借り入れ可能額は3274万円でした。
これに頭金を加えた額が
購入できる物件の目安になります。
物件購入には、登記簿費用や
ローンの保証料などの費用もかかります。
新築なら物件価格の5~7%、
中古の場合は仲介手数料も
含め10%が目安でした。
また、給与ダウンや失業、
家族の病気などに備えた貯蓄として、
少なくとも200万円ほど残しておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
住宅購入後も、教育費を捻出し、
老後資金も貯めなければいけない。
先々の生活を脅かすことに
ならないように、
身の丈に合った住宅ローンを
組むことが大切ですね。
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