専業主婦のモデル年金とは? 専業主婦のモデル年金とは?

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専業主婦のモデル年金とは?

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高齢者が受け取る
標準的な年金額について、

厚生労働省は
「会社員だった夫と、
ずっと専業主婦だった妻」の
モデル年金を使って国民に説明しています。

「共働きが増えた現状にそぐわない」
という批判が強まったため、

厚労省は今後、共働き世帯の
年金のデータも示すなど
何らかの対応を迫られそうです。

そこで今回は、
専業主婦のモデル年金について
お伝えしてまいります。

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専業主婦のモデル年金とは?

モデル年金を受給するのは、
次のような高齢者夫婦です。

▽夫は平均的な賃金で
 40年働いた会社員OB

▽同い年の妻はずっと専業主婦で、
 外で働いて厚生年金に加入したことが一度もない

厚労省は5年に1度、
年金財政の状況をチェックする
「財政検証」を行います。

2019年に行った前回の財政検証では、
モデル年金は夫婦合わせて
月22万円という結果になりました。

一方、同じ時点で、
現役世代の平均的な手取り賃金は
月35万7000円でした。

モデル年金は、この金額と
比較すると61.7%に相当します。

現役世代を物差しにした
モデル年金の割合は、

専門用語で「所得代替率」と呼ばれ、
年金の給付水準を表す
代表的な指標とされています。

今のモデル年金が使われ始めたのは、
基礎年金が創設された
1985年の年金改革の時からです。

当時はまだ専業主婦世帯が多数派でしたが、
現在は共働き世帯の数が
大きく上回っています。

さらに、専業主婦も出産や
子育てなどで離職するまでは、
会社で働いた経験があることが一般的です。

つまり、モデル年金の想定は
社会の実態とかけ離れています。

しかも、共働きや単身世帯の
標準的な年金額について、
厚労省は国民にほとんど説明していません。

専業主婦世帯を推奨しているような
誤解を与えかねない、とも指摘されています。

ただ、だからといってモデル年金を
別の設定に切り替えるのは、
簡単ではありません。

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今の年金財政の基本的な枠組みは、
2004年の年金改革でつくられました。

厚生年金の保険料率は賃金の
18.3%(労使で半分ずつ負担)で固定し、

給付水準は少子高齢化の動向に合わせて
徐々に引き下げていきます。

その給付水準を測る尺度として、
現行のモデル年金の所得代替率が使われています。

さらに、財政悪化で給付水準が
低くなり過ぎないように、

政府は「モデル年金の所得代替率は、
将来も50%超を確保する」と国民に約束し、
法律の条文にそのことを書き込みました。

モデル年金を共働き世帯や
単身世帯に切り替えるとしたら、

法律を改正して、この枠組みを
大きく変える必要があります。

それは避けたいと
厚労省は考えているようです。

さらに、もし切り替えるとしても、
現行のモデル年金も併用し続けないと、
過去の給付水準との比較ができなくなります。

こうしたことから、
厚労省はモデル年金を変更するための
法改正には否定的な姿勢を崩していません。

ただ、来年予定する次の財政検証に向け、
共働きや男女それぞれの単身世帯など、

様々なパターンの試算を
示す方向で検討を始めました。

まとめ

いかがだったでしょうか?

自分が将来受け取る年金額が
どのぐらいになるのか、

参考になる情報を求めている
現役世代の人は多いはずです。

2023年11月に開かれた厚労省の審議会でも、
情報提供が不十分だという指摘
が委員の有識者から相次ぎました。

説明の仕方がどこまで変わるのか、
厚労省の姿勢が問われています。

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