厚生年金の適用拡大の影響は? 厚生年金の適用拡大の影響は?

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厚生年金の適用拡大の影響は?

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厚生労働省は次の年金改革で、
厚生年金に加入する短時間労働者の
範囲を広げる「適用拡大」を進める方針です。

そこで今回は、厚生年金の適用拡大の
今後の見通しについてお伝えしてまいります。

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厚生年金の適用拡大の影響は?

会社員などが加入する厚生年金は、
もともとは正社員が対象の制度です。

したがって、かつては原則として
週30時間以上働く人が強制加入の対象でした。

ただ、近年はパートなどの
短時間労働者が増えています。

厚生年金に加入しないと、
65歳以降、満額でも

月約6万6000円(今年度)の
基礎年金だけしか受け取れなくなります。

このため、厚労省は週20時間以上働く
短時間労働者も厚生年金の加入者にして、

基礎年金と厚生年金の両方を
受給できるようにしたい考えです。

これまでの法改正で、
賃金が月8万8000円以上で、

かつ従業員101人以上の企業で働く人には
加入が義務づけられました。

さらに、勤め先の従業員数は、
2024年10月以降は「51人以上」とされ、
対象が広がることが決まっています。

このような企業規模要件が
設けられているのは、適用拡大によって

中小零細企業の保険料負担が
増えないようにという配慮からです。

厚生年金保険料は、
給与の18.3%を労使折半で負担します。

例えば賃金が月8万8000円の場合、
従業員と会社が約8000円ずつ支払います。

これに加え、厚生年金に加入する人は同時に、
健康保険組合か協会けんぽにも加入し、
その保険料も労使で支払うことになります。

パートの多い小売業や外食産業などから、
保険料の負担増に反発が目立つのです。

ただ、勤め先の従業員数によって、
同じように働く短時間労働者の老後の
年金に差がつくのは不公平だとも言えます。

そこで、厚労省が2025年に予定する
次の年金改革では、

この企業規模要件を完全に
撤廃するかどうかが焦点になりそうです。

実現すれば、
従業員50人以下の企業で週20時間以上、

30時間未満働く人も、
厚生年金の加入者となります。

次の年金改革で、
もう一つの焦点になりそうなのが
「非適用業種」をなくすかどうかです。

厚生年金は原則として、
全ての法人と従業員5人以上の
個人事業所に適用されます。

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ただし、現行制度では、個人事業所のうち
農林漁業や宿泊業など特定の業種は、

従業員5人以上でも強制適用の
対象から外されています。

働く業種によって、
短時間労働者の老後の年金に
差がつくことも合理的とはいえません。

このように、厚労省は企業規模要件の撤廃と
非適用業種の解消を実現したい考えで、
実現するかどうかが注目されます。

有識者などの間では、
さらに週20時間未満の短時間労働者や
フリーランスで働く人にも

適用を広げるべきだという声が目立ちますが、
次の年金改革で実現できるめどは立っていません。

適用拡大で厚生年金に加入すると、
65歳以降の年金額が増えることが
大きな利点です。

保険料についても、
これまで自営業者と同じ

国民年金保険料
(今年度は月1万6520円)
を納めている人は、
負担が減るケースが多くなりそうです。

ただし、サラリーマン世帯の
パートの主婦などは、

今は納めなくて済んでいる保険料を
新たに負担することになります。

●厚生年金の適用拡大
現行制度の適用対象
1.賃金が月8.8万円(年約106万円)以上
2.2ヶ月を超える雇用の見込み
3.学生ではない
4.従業員101人以上の企業で働く
 (2024年10月から「51以上」)

1.~4.すべてを満たす人

次期改革の検討課題
・4.の企業規模要件を撤廃し、
 零細企業も対象に?
→実現すれば約130万人が新規加入

・従業員5人以上の個人事業所のうち、
 厚生年金が非適用の業種をなくす?
→実現すれば約30万人が新規加入

現在は非適用の業種
農林漁業、宿泊業、
飲食サービス業、理美容業、
ビルメンテナンス業など

まとめ

いかがだったでしょうか?

お伝えしたように、新たな保険料の
負担が発生することになるため、

厚労省には、適用拡大の必要性を
加入者にわかりやすく
説明することが求められそうですね。

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