多発性骨髄腫の原因や症状、治療法は?

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多発性骨髄腫の原因や症状、治療法は?

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多発性骨髄腫は血液のガンの一つですが、
症状が多様であるため、

診断に時間がかかるケースがある一方、
近年は人間ドックで見つかる人も増えています。

そこで今回は、多発性骨髄腫の原因や症状、
治療法についてお伝えしてまいります。

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多発性骨髄腫の原因は?

血液ガン白血病、悪性リンパ腫、
多発性骨髄腫に大きく分けらます。

多発性骨髄腫は全体の1割程度ですが、
近年、患者数は増加傾向にあります。

国立がん研究センターの統計などによると、
「MGUS(エムガス)」と呼ばれるタイプを除き、
年間約7500人が発症しています。

患者の大半は60歳以上で、
5年生存率は約50%となっています。

骨の中にある骨髄は「血液の工場」です。

血液のもとになる造血細胞から、
赤血球や血小板、白血球を作り出します。

多発性骨髄腫は、白血球はの一つである
「形質細胞」がガン化し、
「骨髄腫細胞」となることで発症します。

形質細胞には体に侵入した細菌や
ウイルスを撃退する抗体を作る役割がありますが、

骨髄腫細胞は役に立たない抗体である
「Mタンパク」を大量に作ります。

骨髄腫細胞やMタンパクが体内を巡ることで、
様々な症状を引き起こします。

●多発性骨髄腫の3タイプ
MGUS(エムガス)
骨髄腫細胞やM蛋白が少なく、症状はない

無症候性骨髄腫
骨髄腫細胞やMタンパクが
一定量まで増加しているが、
症状はほとんどない

症候性骨髄腫
骨髄腫細胞やMタンパクが増加。
臓器障害などの症状が出る

多発性骨髄腫の症状は?

骨髄が正常に機能しなくなると貧血になり、
動悸や息切れといった症状が表れます。

Mタンパクが増えると免疫機能が低下し、
肺炎や感染症の原因になります。

血液循環を悪化させるほか、
局所的に蓄積すると
腎臓などの機能を低下させ、

むくみや頭痛、
神経傷害などを起こします。

また、骨髄腫細胞が増えると、
骨を壊す細胞が増殖し、
骨が弱って骨折しやすくなります。

血中にカルシウムが溶け出す
「高カルシウム血症」になり、

口の渇きや腰痛などが
でることもあります。

このように症状が多岐に渡ることから、
骨粗しょう症など別の病気に間違われ、

診断の遅れに繋がることも
少なくありません。

●発症の仕組みと主な症状
増加した骨髄腫細胞
↓           ↓           ↓
造血機能の低下    Mタンパクの増加      骨の破壊
↓        ↓      ↓       ↓
貧血、白血球・  免疫機能の 腎障害、血液   高カルシウム
血小板の減少   低下    循環傷害     血症、骨折
↓        ↓      ↓       ↓
動悸、息切れ、  肺炎、感染症、 むくみ、頭痛、 口の渇き、
発熱、出血など  尿路感染症など 目の症状、神経 頭痛、意識傷害、
傷害など    腰痛など

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多発性骨髄腫の治療法は?

多発性骨髄腫は主に
3タイプに分かれます。

血液や尿の検査、
腰骨にハリを刺す骨髄検査、

CT(コンピューター断層撮影法)などの
画像検査によって診断します。

MGUSは骨髄腫細胞とMタンパクが
少量検出される段階です。

自覚症状はなく、
定期検査で経過を見ます。

骨髄腫細胞がなどが一定量まで増えると、
「無症候性骨髄腫」となります。

やはり症状はほとんどなく、
原則として治療はしませんが、

次の段階に進む危険性が
高いと判断された場合は、
薬剤の投与も検討します。

治療法は65歳以下で持病がなければ、
大量の抗ガン剤を投与して
骨髄腫細胞を殺した後、

患者本人の造血幹細胞移植する
「自家移植」を検討します。

66歳以上もしくは持病がある人には、
自家移植はせず、

ステロイド剤や分子標的薬の中から、
複数の薬剤を組み合わせて使います。

MGUSは10年間で10%、
無症候性骨髄腫は65%の患者が、
それぞれ症候性骨髄腫に進行します。

症候性になると完治が難しくなり、
再発を繰り返すごとに、

使う薬を変えるなどして
対処することになります。

近年は新しい薬が次々と登場しており、
治療成績の向上が期待されています。

●症候性骨髄腫治療の流れ
65歳以下で持病なし     66歳以上か持病あり
複数の薬剤を投与      複数の薬剤を投与
↓           ↓
大量の抗癌剤を投与後、   休薬して経過観察
患者本人の造血細胞を移植    再発したら
↓           ↓
休薬して経過観察、薬剤投与 複数の薬剤を投与、
再発したら     新薬の治験に参加

再移植、薬剤投与、
新薬の治療に参加

まとめ

いかがだったでしょうか?

症候性骨髄腫にまで進むと、
治療は長期戦ななります。

使える薬の種類は増えましたが、
効果が高い注射薬は

頻繁な通院が必要で薬価も高く、
多くの人は薬の組み合わせに悩みます。

そのため、迷った時は別の医師の意見を聞く
セカンドオピニオンを活用してくださいね。

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